第14話 予選開始!

 店を出たあと俺はそこら辺のレストランで美味しい美味しい昼飯を食べて、その後ギルドに出向いていた。

 なぜギルドへ出向いたか。それは明日の闘技イベントの詳細を確認するためである。


 「明日の8時からエントリー開始、そして10時から予選開始。予選はバトルロワイヤル形式で残り人数が16人になった時点で予選終了。10秒間倒れてしまえばそこで退場。本戦はトーナメント形式か。そして他の参加者を殺したら即アウト。まあこれは当たり前だな。それと……賞金があるのか! 3位が50000ゴールドでそこから1位上がるたびに50000ゴールド増加か」

つまり1位になると150000ゴールド。テイムの縄に使った分のお金を上回る量が貰えるのか」

 テイムの縄は今の俺にとって相当手痛い出費であった。それを上回るお金がすぐに手に入るとなればかなりありがたい。

 「これは優勝狙うしかないかあ」

 そうして確認を終えた俺は宿に戻り、明日を待つのだった。


 次の日俺はギルドでエントリーを済ませていた。俺はよくみてなかったから知らなかったが、このギルドの裏手には大きめの闘技場があったらしい。そこで戦いは行われるとのこと。 

 そして俺は20分後のイベントに備えるのだった。


 それからわりとすぐに20分経ち、俺たちイベント参加者は闘技場に集められた。

 「防具も武器もさまざまで、本当にいろんな天職の人がいるんだな」

 明らかに剣士のような人や、魔法使いのような人や、そんな人間が何人も集まっていた。

 どうやら合計で129人がこの場に集まっているらしい。しかしそれほどの人数が集まっても闘技場には充分なスペースが確保されていた。ここは相当広い場所だったようだ。


 そしてアナウンスが鳴り響き、試合のルールが確認される。直後、アナウンスの試合開始!という声が闘技場中に響いて、俺含めそこに集まった129人が一斉に動き出した。


 周囲からカァァン! と剣がぶつかり合う音や火が燃え盛るような音がなり始めた。そして俺の視界に1人の剣を持った人間が現れる。

 「はあああ! 悪いがお前にゃあここで退場してもらおう!」

 その男はそんな小物臭いセリフを吐いてこちらは向かってくる。

 そのようなセリフを吐かれて、いや吐かれずとも大人しく退場する訳にはいかない。

 俺は向かってくる男からバックステップで距離をとる。直後、その遠距離からスキルを発動。

 「ねんりき!」

 そのスキルが目の前の男に直撃。

 「ぐあっ!」

 そんな男が受けた痛みを表す声が辺りに響く。そんな男に俺はもう1発ねんりきを打つ。が、そいつは瞬時に身を逸らし、ねんりきを回避した。

 普通、このままではこのねんりきはダメージを与えることができずに消えてしまうだろう。しかし俺にはこのスキルがある。

 「パワー爆発!」

 瞬間男の真横にあるねんりきが男を巻き込んで爆発する。

 それを受けた男はその場にどさっと倒れた。

 「ふう、これでもうこいつは動けないかな。ちなみに死んでないよな……?」

 俺は男の生死を確認して一息つくと、この予算について考える。

 (1人を相手にするなら程度ならまあ簡単にできる。が、うーん。複数人ならわからないな)

 そんなことを考えると恐れていた事態が起こってしまった。

 「あぁ、しまった。フラグを立ててしまったか」

 俺は5人の人間に囲まれていた。正確にはわからないが左から剣士、魔法使い、剣士、剣士、よくわからないやつって感じか。

 まずは後衛を潰そう。

 そうして俺は自己暗示を使用する。その力で俺のスピードは上昇し、2体の剣士を抜き去る。

 「サイコエンチャント!」

 俺は魔法使いを倒すため剣にサイコパワーを纏わせる。直後、少し後衛に構えていたあと1体の剣士が俺の前に立ち塞がる。

 そいつは俺に剣を振るうが、俺はそれを剣で受け流す。そうしてそのままそいつを抜き去ってゆく。

 魔法使いはようやくスキルを発動したが俺はもう、そいつを倒せる俺の間合いに入っている。そのスキルは俺に当たることなく1直線に飛んでいき、そして俺の剣は魔法使いの腹に深く入り、魔法使いはドサッと音を立ててその場に倒れ込むのだった。

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