お正月(if)
「それが東の端の国で流行ってる着物……か?」
「はい! どうやらこれを着てお参り?というものを行うと一年の運勢が上昇するらしいですよ!」
「冒険者をやる上では運勢など上げるに越したことはないですわよ!」
普段着慣れない衣装に身を包み、妙にテンションの高いアカネとリルを他所目にウンランが俺の裾を引っ張る。
不安そうな瞳をこちらに向け、今にも泣き出しそうな表情をしている。
「うちの衣装どうアル……?」
「安心しろ。似合ってるぞ」
頭をガシガシと撫でてあげると満足したかのようにアカネとリルの元へと合流する。
「それでお参りとやらはどこへいくんだ?」
「この国にそういった文化はありませんから……ダンジョンにでもいきますか?」
「新年からダンジョンアルか……」
「ここ数日鍛錬をサボっていたウンランには丁度いいんじゃありませんこと?」
「うっ……それを言われると逃げられないアル……」
何故か新年からダンジョンへ行くことになっていることに疑問を覚えながらも俺は質問をする。
「一応ルールを決めないか? ただダンジョンを攻略しても面白くはないだろ?」
「んー……確かにそうですね。では1時間の間に魔物を多く仕留められた人が勝ちでどうでしょうか?」
「いいですわね。ラルコスが少し不利になりそうですがこどうします?」
「それなら俺は審判を努めよう」
とてもじゃないが、このレベルの戦いに参加できる気のしない俺は審判を申しでる。
「それでいきましょうか。場所は『暁の真紅』で」
「『暁の真紅』アル!?」
ウンランが大きな声を出す。
それもそのはずだ。
『暁の真紅』は上級者がこぞって潜っているが、まだ最下層には到達できておらず深淵とも呼ばれている。
そんな深淵におやつ感覚で足を踏み入られるアカネとリルに俺は戦慄を覚える。
それはウンランも同じなのだろう。
「奥の手を使ってもいいアル?」
「いいですわよ!」
「私も大丈夫ですよ」
「じゃあ負けないアル!」
「じゃあ1時間後に『暁の真紅』で落ち合おう」
それだけ告げると俺はダンジョンの入り口で眠りにつくことにした。
1時間後に深淵を3人が攻略してくるとも知らずに……。
—————
今日はお休みしようと思っていたのですが、短めのifを少しだけ。
明日から本編再開します。
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