仮面の正体と転移ダンジョン
「リース! アミルを回復させたら後退しろ!」
「了解です! 『生命の実りを我が手の中に』エクストラヒール!」
仮面が回復を邪魔しようとリースの方に迫るが流石に今回は距離がある。
「させるかよ……!」
俺は突き出てくるレイピアをしたから跳ね除け、仮面を下がらせる。
「……」
「いい加減何か喋ったらどうだ? お前の目的はなんだ? なぜ俺達の邪魔をする?」
「……」
画面からの返答はない。
だがこれでいい。
アミルとリースとレオンを下がらせる時間を作れればそれでいい。
俺は3人が十分に下がれたのを確認してから仮面へ挑発をする。
「実際問題はお前の目的がなんであろうとどうでもいいんだ。第二ラウンドと行こうぜ。俺は仲間が逃げ切るまでは倒れねぇぞ」
「……」
仮面が俺を飛び越えて仲間の方へ走り出そうとするのを阻止する。
「『岩の防壁よ我を守る壁となれ』ストーンウォール!」
岩の壁が俺と仲間の間に形成される。
高さは本職ほどのものは出せないが、普通の人が飛び越えるにはかなり難しい。
「中々やるようになりましたわね」
「え……?」
俺は仮面の下から聞こえてきた聞き覚えのある声に間抜けな声を出す。
だって今の声と話し方は間違いなく……。
そんなことを考えている間に仮面は俺達の前から姿を消した。
――――――――――――――――――――――
「ウンラン、君は何が得意なんだ?」
「ウチは魔法も剣も得意アルね」
「魔法はどのぐらいまで使えますか?」
「んーウチの魔法で山ぐらいなら消し飛ばせるアル!」
少し大袈裟に話を盛っていたとしても規格外だ。
「剣はどうだ? ダーフ支部長は相当な使い手だったと記憶しているが」
「おじいちゃんは相手にならないアルね」
「それはまた……。よし実力をみるためにちょっと難しいダンジョンに3人で行こうか」
「……またリルちゃんに小言を言われますよ」
リルだって自分の用事で数日パーティーを離れているんだ。
俺達がちょっとウンランを連れ回しても問題はないだろう。
「リルには帰ってから俺が言っておくから」
「そう言っていつもラルコスさんごと、私にも雷が落ちるんですけどね……」
「リル怖いアル?」
純粋なウンランを横目に俺とアカネは目を合わせてため息を吐くのだった。
――――――――――――――――――――――
「おーここがダンジョンアル?」
「そうだ。ここは中級者がよく出入りしているダンジョンだな」
このダンジョンは出てくる敵のレベルはそこまで高くはないが、中級者向きなのには理由がある。
それは……。
「地面が……光ったアル!」
「ウンランさんそこから離れて!!!」
アカネの決死の叫びも意味を成さずにウンランはどこかへと飛ばされる。
そう、ここは転移のダンジョンなのだ。
パーティーで戦うと大したことない敵も全て1人で戦うことを強要される。
「転移しちゃいましたね……」
「大丈夫だろう。アカネ、明日ぐらい迎えにくるか、俺達も久しぶりに攻略するかどっちがいい?」
「じゃあ私達も久しぶりに探索しましょう。ただしラルコスさん貴方は1人じゃ弱いんですから、私と手を繋いでいきましょうね」
「……はぁ」
こうして久しぶりに俺とアカネは2人でダンジョンを探索することになった。
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