筋肉と青年の成長譚

 フィリップスの強引さに引き摺られながら、筋肉の成長と同時に人間的にも成長していくエリオットが等身大で魅力的に描かれています。
 エリオットとイスラの関係性がまだまだ淡い物なので、少しむず痒くなりながらも、どんな二人になるんだろう、どんな気持ちをくれるんだろう、とワクワクドキドキ期待です。
 文体も非常にわかり易く、読み手の側に立った表現の中に、時折温度を持ってこちらに語りかけてくるもの(二話の「お下着が〜」や、三話の「ミドルネームだけで〜」など)があり、作品を魅力的なものにしていると感じました。
 個人的に、エリオットの筋肉は最終的に何の魚まで行くんだろう……という所がとても気になっています。笑
 私も筋トレして強くならなくちゃ!と思わせてくれるとても良い作品でした。

 以下は最終話まで読んだ上での追記です。
 読後にあたたかさと彼らの未来を想像して清涼感が残る素敵な作品でした。
 場面場面で引き込まれる表現があり、最後まで作品の世界に居させて貰えました。
 またどこかで、マグロの先に到達したエリオットとイスラちゃんのお話が読めることを祈っています。