第十話

ごめんね、お父さん。

今ガチの収録で3日間帰れなくなりました。

お土産買ってくるね、何がいいとかある?


昨日の夕方に送った連絡、まだ既読ついてない

もう8時30分、絶対起きてる時間なのに、

やっぱり、この前のこと関係してるんじゃ、、

ザワザワと気持ちが揺れ、徐々に気分も落ち込んでくる。


-ピコン


手に持っていたスマホから、通知音がなった

私は一目散に画面を開いた


「あ、、B小町、?!」


画面に映し出されたYouTubeの動画

黄色い鳥のような頭を被る3人

私は、無意識に画面をタップしていた。


-「いちごぷろしょぞく……ほしのるびー……自称アイドルです」

-「有馬かな!自称アイドルです、こんにちは!!」


ルビーちゃん、かなちゃん、、

すごいなぁ、私も頑張らなきゃ。

B小町って名前にしたんだ、アイと同じなんだね

私もあの時、アイドルするって言ってたら

私もアイみたいになれたか、な、、、


ノイズが走る。ズキズキと胸が痛い

苦しさを逃がすように、両手に力が入る

ベットの布団を握りしめ、呼吸を落ち着かせようと息を吸う。

「はあっはあっ、はぁ、はっ、いっ、なん、で、?」


私はベットから転げ落ちた。全身の痛みの胸の苦しみ、どちらが痛いのかもう分からなかった。


-アイみたいになんかなれない!!

-アイは世界で1人、アイは唯一無二、誰にだって真似できないんだ!

-あなたもアイになりたいだなんて言うの!

-どうしてあなたは私を裏切るのよ!!


だ、だれ?なんで、何、

誰のなの、なんなの、や、やめて。や、やだ

やめっ--


そこで私の記憶は途切れた。

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