第九話

「えまちゃーん!今ガチみたよー、おつかれさま!」


ルビーちゃんはとてつもない笑顔で駆け寄ってきた


「わわっ、ひ、久しぶりだね。ルビーちゃん、ああとありがとう」


私は動揺を隠しきれていなかった。

あの日、アイドルに誘われた日以降、ルビーちゃんと直接喋ることはなかった。

アイドルは先輩がなったという報告は受けた。

私はアイドルは、、、やれないかな、


「見たわよ、私も。まぁ、よく頑張ってたじゃない。でもね、いろいろ考えすぎて奥手よ?もっと真正面からぶつかってくるんじゃなかったの?」


「か、か、か、かなちゃぁぁん!!」


なになになにー、今日あまの覚えててくれたのぉ?


「べ、別に、あの時はいろいろと助かったってだけ。吉祥寺先生も言ってたわよ、あなたにもお礼を言っといて欲しいって。あなた、姿が見えなかったから。」


あ、あの時、、、


「あ、あはは。あれねー、頭痛くて、休んでたんだよねぇ、」


「あの時は、お弁当が当たったって言ってただろ?」


背後からボソリと声が聞こえた。


「あ、アクアくんっ?!あ、あれ?そうだったっけ?まぁ、今度挨拶行くようにするね!ありがとう」


やっぱりその場しのぎの嘘はつくべきではない。

そう心から思った瞬間だった。

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