第5話 施設の本性

エレベーターに揺られ30秒といった所か。突然視界を遮っていた鉄の何かが外れ全貌が見える。そこで私は見た。見てしまった。画面いっぱいの赤、赤、赤。それに紛れて爪のようなものや衣服だったものの切れ端、果てには目だけを綺麗にくり抜かれた顔が無数にこちらを覗き込むような、そんな気がした。

「あんまり見ちゃ気分悪いでしょ、私の後ろに立って。」

私は応答する余裕が無かった。すぐにマイラの後ろに駆け込んだ。一般人がこんな殺人現場をみたら腰くらいは抜けると思う。しかし、、、、一体マイラはどれだけの修羅場を経験していたのか?畏敬と共に、恐怖の感情が渦巻く。ちなみに、エレベーターはしっかりと上に登っていた。それだけが私を安心させた。

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