第13話 おば
だがしかし、非力で弱りきっている子どもが大人に敵うわけもない。
「なんだ、やめろ! 汚いガキめ!」
学者はレオナルドを押し倒すと、馬を打つ鞭で少年をピシャリピシャリと何度も叩く。
悲鳴を上げるレオナルドだが、彼は諦めることなくまだ学者へ向かって行こうとするが一方的にやられてしまう。
その光景に我に返ったソフィーは叫びそうになったが、口の布のせいでそれが出来ない。
やめて、やめて! そんなにしたらリオが死んでしまう! やめて!
そう叫んで止めたいのに声が出せない。
うーうーと唸って涙を流していると、ハラリと口の布が外れて手のロープもほどかれる。
ハッとして振り返ると、どこか申し訳なさそうな顔をしたおばが結び目を外してくれた様だった。
ソフィーはおばへのお礼の言葉を発するよりも先に大きな声で叫ぶ。
「【やめろっ】!!!!」
すると学者は、
「はい、やめます」
と素直に返事をして動きを止める。
「おばさま、ありがとう。今までもありがとう」
早口に言ってから少女は倒れるレオナルドに駆け寄った。
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