愛しいヴィオーラ

聞いてくれ、いとしのヴィオーラ。

……本当はね、君のことが嫌いなんだ。

座り込む君の周りを舞う黄色 きんもくせいがうっとうしい

しくしくしく声をあげて泣かなくても悲しいことは知っているけど。

どこかでは自分が上だと考えているんでしょう。その、顔。

嘘つきになれる条件はただ一つ。ついた嘘を忘れないこと。

消えてくれ、いとしのヴィオーラ。

……ああ、私とそっくりだから嫌いなんだ。

立ち上がる私の袖をつかんで「早く来てよ」底なし沼

ぼろぼろぼろこっち来ないで　むらさきが毒だったらどうするのよ！

どこにも居場所がないのが個性だと思っているでしょう。その、瞳。

ヴィオーラ　私の中の紫花　どうか安らかに眠らんことを。