第2話 サメパンチの脅威!

突如として頭上から降ってきた少女、辺り一面を血の海に変えたこの恐ろしい少女が私を見下ろして口を開く、

「なのれよ!」


「…、へ?」

私が言葉の意味が分からず呆気に取られていると、彼女が矢継ぎ早に捲し立てる。

「だからなまえなに!?ってサメパンチが聞いてるの!サメパンチが助けてあげて、しかも挨拶してあげたのに何で挨拶がかえってこないの!?挨拶されたら挨拶し返す、普通のことでしょ!」「ワンワン!」


あ、あぁ…挨拶ね、確かに正論ちゃ正論だけど…ていうかサメパンチって言うんだ、変な名前…あと犬うるさ…

「ご、ごめんなさい、びっくりしちゃってて…私の名前は陽日々 小春って言うの…、その、助けてくれてありがとう、…ございます…」

「ビビビ…?変な名前ね!」


ひ び びだよ!変な名前とかこいつ…!サメパンチに言われたくない!でもこの女圧倒的暴力持ってるし、下手に刺激したら怖いからなんも言い返せない…!くそっ…!でも、ひびびも変ちゃ変か…


「ビビビは買い物帰りなんだ」

私の手元を見てサメパンチが呟く

「そうですけど…」

「じゃあお礼はそれでいいよ、サメパンチお腹空いたよ」

なんかいやな予感がするな、と思い私はとりあえず誤魔化してみる、

「お腹空いたって…こ、これを差し上げればよろしいでしょうか…?」

と買い物袋を差し出した。

「?なに言ってるの?サメパンチ料理できないじゃん、ビビビは命の恩人に素材丸かじりしろって言うの?それでお腹壊したらどうすんの?最低だね、ビビビには恩を返す文化ってないの?最低だよ」「グゥゥ…ワン!」


こいつ…!ちくしょお…!なんだよ早口で捲し立てやがってバカが…!

「メシ作れ」って、口振りと雰囲気からなんとなく予感したけど嫌だから遠回しに誤魔化したんだろ!「なにがサメパンチ料理できないじゃん」だよ見りゃ分かんだわ、生活力皆無の暴力装置…!狂った破壊マシーンがよ…!所詮テメー見たいなイカれた化け物はなにかを生み出す事なんて出来っこねーんだよ思い上がんなチビスケ!あと犬うるせーよ


「ご、ごめんなさい、分かりました、じゃあ私のお家に案内しますね、ついて来てください」

「ふんっ、このサメパンチに無駄な時間使わせないで、早く案内してビビビ、サメパンチ、お腹空いた」「ワン!」


こうして私、『陽日々 小春』と『サメパンチ』の奇妙な日々が幕を開けたのだった。ついでに犬も

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