第2話消えたビー玉
次の日、学校が始まった。昨日の一件以来、悠斗は鏡を見るのが怖くなっていた。
「悠斗、顔色が悪いよ。大丈夫?」灯里が心配そうに声をかける。
「ああ、大丈夫。ちょっと寝不足で」
悠斗は鏡のことを話せなかった。きっと、信じてもらえない。
それに、信じてしまったら最後、本当に女の「憑き」に怯えることになる。
放課後、3人で帰り道を歩いていると、古びたアパートの前を通りかかった。取り壊しが決まっているらしく、窓ガラスが割れていたりして、とても不気味な雰囲気だった。
「ここ、出るらしいよ」健太がささやく。「昔、ここで女の人が亡くなったんだって」
悠斗の背筋が凍った。あの鏡の女と関係があるのか?
「‥‥関係ないよな」悠斗は強がって言った。
その日の夕方。悠斗は自分の部屋で宿題をしていた。集中が切れて、机の引き出しを開けた。お気に入りの青いビー玉を転がして遊ぼうと思ったのだ。
しかし、ビー玉の入れ物は空っぽだった。
「あれ?どこ言ったんだ?」
あのビー玉は、いつも入れ物に入れて、引き出しの右奥に入れているはずだ。
僕は、焦って部屋中を探したが、見つからない。
ふと、悠斗は洗面所の鏡を思い出した。鏡の中の女が、僕のビー玉を盗んだ?馬鹿な話だ。
でも、物を隠すなんて、人間以外の存在がいるとしか考えられなかった。
悠斗は決意して、灯里に電話をかけた。
「灯里、あのさ…昨日、本当に女の人が映ったんだ。」
電話口の灯里は、少し驚いた様子だったが、すぐに冷静な声で言った。
「やっぱり。悠斗、明日、あの古いアパートに行ってみない?」
僕は、その言葉を聞いて言った。
「うん、明日行ってみよう」
鏡の中の女の人と何か関係があるかもしれないから……。
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