せゔんす・みっしょん〈審判。そして正義執行〉
⑦
〈※ガチャと音が鳴りドアが開く。部屋に入ってくるヒヨコと後輩たち三人の女性の足音。〉
【ヒヨコ】ただいまー。アレ? なんか部屋がすごいことになってるね。
【後輩A】うわっ、何これ!
【後輩B】ひどっ! 泥棒に入られたみたい。
【タカ】え、あ、これはですね。
【トビ】なんと言いますか。あ、そうだ。このガキがですね‥‥。
【ヒヨコ】ツバメくん、お留守番しててくれた?
【ツバメ】‥‥‥‥。(黙って頷く。ジェンガは崩れない)
【ヒヨコ】お利口だったね。
【後輩B】先輩、ぜんぜんスルーするところじゃないと思うんですけど。
【後輩A】え、大丈夫なんですか。この部屋?
【タカ】へっへっへ。
【トビ】へっへっへ。
【ヒヨコ】ツバメくん、お菓子かってきたよ。食べる?
【ツバメ】‥‥‥‥。(黙って頷く。ジェンガは崩れない)
〈※ヒヨコとツバメの間には穏やかな空気が流れている。その周囲では殺伐とした雰囲気になっている。〉
【後輩A】アンタたち、何が駅にて赤い靴の女の子像の前で体育座り待つよ。
【後輩B】何が公園にて、赤い靴の女の子像の
【後輩達】いい加減にしなさいよねー。
【タカ】あ? ウッセーウッセー。てめえらはおよびじゃねーんだよ。
【トビ】センパーイ。僕らも、大人しく留守番してました〜♪
【後輩達】はーあ?
【ヒヨコ】もー、こんなに散らかして。みんな、わんぱく君だなー。
【後輩B】先輩、絶対そんなレベルじゃないと思うんですけど。
【後輩A】え、この子、なんで服を着てないの? コイツらに脱がされた?
【後輩B】というか、何で頭の上にジェンガ築いているの?
【タカ】へっへっへ。
【トビ】へっへっへ。
〈※二人は笑って、なんとか惨状を誤魔化そうとする。部屋は散らかり放題になっている。〉
【ヒヨコ】あはは。ちょっと困ったな。男の子だけにするとこうなっちゃうものなのかな?
【後輩B】いやいや、ぜんぜんならないですよ。
【後輩A】アンタたち、人の家で暴れ回るとかどういう神経なの。それにこの子、服脱がされて、こんな変な格好しているのなんで? いじめじゃないでしょうね。
【ヒヨコ】いじめ? ねえ、ツバメくん、お兄ちゃんたちにいじめられたりしなかった?
【タカ】なに言ってんすか。僕ら、ちょーちょー、仲良くしてましたよ。
【トビ】ずっと楽しくやってましたよ。ねー、ツバちん。
【ツバメ】‥‥‥。
【ヒヨコ】そうなの? この子、すごく人見知りする子だからすごいね。やっぱり男の子同士だからかな。ねえ、ツバメ君、お兄ちゃんたちとなにかお話しをした?
【ツバメ】‥‥‥。
【タカ】えーと、なにを話したかな〜‥。
【トビ】あ、してましたよ。僕らがヒヨコお姉ちゃんのことをすごくリスペクトしているという話をですね。
【タカ】そうです。そうです。ヒヨコ先輩が素晴らしいと言う話をですね。
【トビ】してました。へへへ。
【ヒヨコ】え、そうなの? わたしのことなの? どんな話をしていたんだろう。気になるな。
【タカ】へっへっへ。
【トビ】へっへっへ。
【ツバメ】お胸がすっごい大きね、て言ってたよ。
【タカ】な‥‥。
【トビ】こいつ‥‥。
【後輩A】アンタたちサイテー。
【後輩B】うわー、こいつらいつもの通常運転だよ。子供の前でまで何言ってるの。
【ヒヨコ】あはは。
【タカ】や、やだなあ。もー、ボクちんたら〜。へっへっへ。
【トビ】ダメだぞぅ。おませさんなんだから。へっへっへ。
【ヒヨコ】あはは。
【後輩A】サイテー。あんたたちサッサと大好きなおっぱい星に帰りなさいよね。留学、お疲れ様でした。
【後輩B】こんなに部屋荒らして、まさかサイズとか調べてたんじゃないでしょうね。
【タカ】えっへっへ。
【トビ】えっへっへ。
【ツバメ】B70だって。
【タカ】ちょ、おまwww。
【トビ】言うに事欠いて、なに言い出してんだwww。
【ヒヨコ】え、なんで知ってるの?
【一同】え?
〈※一同がヒヨコの言葉に驚愕した後、長い間が生じる。〉
【ヒヨコ】ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと〜〜〜!
〈※ヒヨコは我に帰り、顔を真っ赤にして悲鳴をあげる。〉
⚪︎
【ツバメ】本当はガキなんて大嫌いだって言ってたし! ガキなんてきたねーし、うるさいって言ってたし! 名前を覚えてないし! 耳を引っ張ってうらうらだし! でけぇよな、げっへっへだし! ぼよんぼよんで大怪獣で、バインバインの怪獣大行進だし! 心の中でドジラのテーマソングだし! 嘘ついて待ち合わせ場所かえたって言ってたし! 孔明の罠だし! 俺にランデブーさせろだし! 喧嘩してプロレスだし! 部屋を漁るし! あの女、どういう悪食だし! おっぱいに告白してたし! 勝手に彼女にしてたし! 勝手にご飯を食べてるし!
【タカ】わっしょ〜い! そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!そい来た!
【ツバメ】現代アートにするし! ザコだチビだしょんべんだって言われたし! うんこだウンチだぶりぶりだって言われたし! わっしょいだし! おっぱいはいっぱいでいっぱいなおっぱいだし! おっぱいにプロポーズするし! バインバインのボヨヨンだし! ビックビッガービッゲストだし! 勝手に結婚会見するし! 部屋を散らかした犯人をなすりつけようとするし! 全国制覇でおっぱい統一戦だし! ジュースで乾杯だし! 頭の上でジェンガをやるし!
【トビ】わっしょ〜い! せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!せいやっさ!
【ツバメ】それにそれに‥‥。僕のタコチー、–––––食べちゃったんだ!
【二人】いや、タコ食ったの、オメーだろ。
〈※ツバメの頭の上に築かれていたジェンガが崩れる。〉
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