④-5

     


〈※そして、しばらく経って二人が作るアート作品は完成間近になっていた。ツバメは暗い顔をしている。〉



【タカ】おい、そこのスイカップ取ってくれよ。

【トビ】これか?

【タカ】そうさっきのだ。それ付けて俺らの芸術の仕上げにするぜ。

【トビ】横掛けするか、頭に巻くか迷うな。

【タカ】頭に巻こうぜ。


【ツバメ】‥‥‥‥。


【トビ】いいな。

【タカ】悪くないぜ。



          ⚪︎



〈※二人はついに出来上がった現代アート(ツバメ)を眺めながら満足気に会話する。ツバメはずっと思い詰めたような暗い表情をしている。〉



【トビ】できたな。感慨深いぜ。

【タカ】ああ、やり遂げたぜ。俺らのアートをよ。



    ‥‥もしかしたら子供の僕なんかよりも

    こいつらの方が

    ひよこにふさわしいのかな?



【トビ】アートが完成したことだし、いっちょ祝うか。

【タカ】俺たちのひよこへの思いを盛大に祭ろうぜ。



    悲しいけれど

    悔しいけれど



【トビ】いいね、祭るか。タカ!

【タカ】第一回ひよこ祭りの開催だぜ!



    彼女の幸せを願うなら

    僕は身を引いたほうが

    ‥‥‥‥いいのかな?



【トビ】行くぜ、わっしょい! タカ!

【タカ】おうよ、わっしょい! トビ!


    

〈※二人は急にテンションMAXではしゃぎ出す。ツバメを囲んでの二人の宴が始まる。〉



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