半生と旅行記

まなぶくん

第1話 高校生とニュージーランド ①

 私が初めて海外へ行ったのは15歳、高校1年生の夏だった。

 場所はニュージランド、当時英語のテストで10点を取ったことのある私には、あまりにも大きな冒険であった。


 中学時代、勉強する事が嫌いだった私は地元で最も偏差値の低い高校に進学した。

 教師だった両親には、中学時代に行っていた部活動を高校でも続けたいと何とか説得した。

 こうして、私は勉強をしなくても良い環境を手に入れたわけだ。


 高校に進学すると偏差値が低いだけあって、「素行の悪い生徒」、「家庭環境に問題がある生徒」、「単に頭が悪い生徒」など全校生徒の人数は少ないながらも、多種多様な生徒がいた。


 私は高校では「部活を頑張っている生徒」に分類された。

 学内でもヒエラルキーの高い集団に属していたわけだが、生徒1人1人が何かしら問題を抱えている事が多いこの高校では、いじめや仲間はずれといった現象は驚くほど少なかった。


 根が捻くれている私にも友達ができ、楽しい高校生活を送ることができたわけだ。



 さて、話を戻そう

 なぜ私が高校の話をしたのか


 それは私が初めて海外に行った理由が部活動の遠征だったからだ。

 その年、国民体育大会が私の地元で行われるということで、県からたくさんの予算が与えられたのだ。


 中学校時代、県内でほどほどの成績を出していた私は、高校では県の強化選手となっていた。

 そして、タイミング良く舞い降りた海外遠征の話、私は見事ニュージランド遠征の選抜メンバーに選ばれたのである。


 さて、先ほども記したように、私は勉強が嫌いだ。中でも古典と英語は特に苦手な科目だった。

 中学の時、親が再婚した影響でグレてしまった同級生の池崎くんにも理解を示していた私だったが、古典と英語だけは到底理解の及ぶ代物ではなかった。


 長々と前置きをしたが、次の話からは人生初の海外遠征についてもう少し詳しく書いてみようと思う。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

半生と旅行記 まなぶくん @leanman

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ