第24話 制裁

 翌日は、会社を休んだ。とても行ける気がしなかった。

 1日これからのことを考えていた。そして、自分の心の中を見つめていた。

 

 私は、月斗を愛している、間違いない私の気持ちだ。月斗への愛情が薄れたり失ったりして私は不貞を行ったのではない。

 なぜ、私は彼らと関係をもったのか。

 彼らが好きだった? いや、決してそうではない。

 佐伯君

 彼は、私を慕ってくれて、憧れてくれて、尽くしてくれて、仕事のできるかっこいいワーママを演じていたかった。そのために彼が必要だった。それだけの関係。

 自分の虚栄を守るための不貞

 

 籠原部長

 仕事のできるビジネスマンに見えた憧れた尊敬していた。彼と比べて月斗を見下していた。彼の力を利用して自分も、のし上がろうとした。でも、彼は中身のない自己中心な男だった。月斗がビジネスの本質を分かっていた。尊敬すべきは彼だった。

 自分の無知が招いた不貞


 翌日、常務から電話があった。

「明日、必ず出社しろ。デスクには行かずに役員専用会議室にだ。理由は言わなくても分かるな。」

「はい。」

 会議室へ入ると、常務、人事部長、コンプライアンス室長が並んでいた。手前には、籠原部長と佐伯君が、青い顔で腰掛けていた。

「麻生課長の旦那さんから、君たちの業務上に関しての不適切な関係についての通報があった。」

 私たち3人を見回して常務が言った。

「何か、言うことはあるかね。」

「麻生課長が、次長に推薦してほしいと、誘惑してきたんです。それで、仕方なく。」

「麻生課長が、仕事を僕に回してくる代償として関係を持ち掛けてきて、断れなくて。」

 2人の必死の弁明を横で聞いてた。

「それで、2人は麻生課長にホテルに無理やり連れ込まれて関係を持たされたと言いたいのか?」

 常務の怒気を孕んだ言葉に、2人は押し黙った。

「3人の不適切な関係は、精査するまでもなく、わが社のコンプライアンス違反と認められます。」

 室長の言葉に続き、人事部長が口を開いた。

「3人には、懲戒処分と人事異動を言い渡します。」

「え?こんなに早く?」

「君たちを今の職場に、1日でも置くことはできません。」

「籠原部長は、滝山印刷コーポレーションへの営業課長として出向を命じます。麻生課長は、文具販売部への異動、佐伯君は、減給6月と資材部への異動を命じます。」

 3人とも降格、減給、異動を命じられた。部長は子会社への出向は、この会社でのキャリアの終わりと同じだった。佐伯君は、男性だけ数人の部署だった。

 私は、文具販売部、幼稚園や小学校に、学用品や紙類を売る営業職へ飛ばされた。

 

 不貞行為の代償は、あまりにも重かった。



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