山や村といった素朴な舞台が自然に立ち上がってきて、静かな語り口のまま物語に引き込まれました。怖さとやさしさが同じ場所に並んでいるようで、その距離感が印象に残ります。幼い頃に誰もが一度は感じたことのある経験を、物語に落としこんでいるように思いました。最後まで読んでから、もう一度最初を読み返したくなる、そんな余韻のある一篇でした。
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