第十一節

将軍が城に到着した。

「将軍様、早速ではありますが、お話よろしいでしょうか」

「構わん、話せ」

「超能人2人をひっとらえたことはご存知かと思いますが、もう1人増えまして、それと将軍様と直接お話をしたいと言っておりまして……」

「それはワシも同じことだ。本当にどうなっておる……」

将軍は着いてそうそう、超能人たちのところへ向かう。

「ワシと話したいのは誰じゃ?」

「はい、私、浪止と申します。なぜ、超能人を根絶しようとしているのですか?」

「超能人はホコリという名の者で最後と思っていた。それが気がつけばどこからともなくダークと名乗る超能人が湧いてきた。はっきり言うなら気味が悪い。寿命もないし、性別もないと聞く。どんな化け物かと思えば、人間の姿をして紛れ込むと。この本能から来る不快感は否めない。今まで処刑した超能人は数知れず、それなのに空気のようにポンと現れるではないか。それも今日で終わり、このオモテノクニ、全てを探しつくした。ここにいる3人でもう超能人は絶滅だ。そうでないと困る。誰がなんのために科した罰なのか」

「相当興奮しているようですね。一つ確認ですが、本当にオモテノクニ中を探したのですか?」

「何が言いたい?」

「ここにおりますライトという超能人はとある過疎地域で、人間のもとで育てられていました」

「なっ、なんという愚行……」

「それでもライトを除けば完全に超能人の所在を把握していたこととなりますね。でも、考えてみてください。超能人が今まで人間たちに何かしましたか?」

「危害を加えられた」

「それは一方的ですか?始まりは分かりますか?」

「わからない。だが、やつらが先に違いない。人間が住んでいたところに突然割り込んできたのはそちらだろう」

「決めつけは良くない。そしてその考えはあまりにも自己中心的だ。ここハルノセカイのセカイの部分は生物が住むことができる場所という意味がある。生物全体であってあなたたち、人間だけのものという意味ではない。それとあなたが言うこの罰を科した者、その怒りを買うのは承知で?」

「馬鹿な。そんな者が本当にいるというのか?」

「このままでは人間と超能人、どちらも滅ぶ。セカイは広い。ここオモテノクニだけでは収まりきらない。将軍殿、ここで血は流したくない」

2人の間には重い空気が立ち込めていた。だが、話が難しいこともあり、周りでその様子を見るライトとダーク、そして人間たちにはピンと来ていなかった。

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