物の情念に耳を澄まし、その謎に没入する
- ★★★ Excellent!!!
日常に宿る『過去と情念』を
静かに記した『オカルト・フィールドワーク手記』
主人公・マリコはささやかな霊感を持つ普通の主婦です。
中古品に宿る「何か」に思いを馳せ、物語は静かに、さながら珈琲の香りを楽しむような落ち着きで進行します。
にゃんこな先生がおじゃましてきそうな、世界観の魅力。
中古品の売買を『契約』と表現するなど、ゾクりとする読後感。
物の情念に耳を澄ませて謎を追う――そんな読書体験をくれる作品です。