第22話 24時間戦争!

夜の闇が静かに部屋を包み込む頃、七つの小さな命は同時に泣き出した。

ベビーベッドからの泣き声、布団の上でばたつく手足……この瞬間から始まるのは、まさに24時間戦争だった。


莉緒は眠そうな目をこすりながらベッドから起き上がり、瑛士に目を向ける。

「……始まったね」

「うん……今日も戦場だ」

深呼吸をして互いに覚悟を決める。七人の夜泣き、授乳、おむつ替え――どれも気が抜けない。しかし、疲れの中にも、確かな幸せがあった。


***


■スーツ姿で戦うパパ


瑛士はそのままスーツ姿でリビングに現れた。

「着替える暇がなかった……でも、このままやるしかない」

陽日がベビーベッドの中で元気よくおしっこを飛ばす。

「もう……陽日、元気すぎる!」

瑛士は笑いながら抱き上げ、縦抱きにして背中をトントンとさすり、ゲップを促す。陽日は小さな声でうなずき、落ち着いた。


***


■担当固定制の徹底


莉緒は女の子チームを担当。美結、氷華、紬生を順に抱き、授乳とゲップを済ませる。

「美結、よく眠れるかな……」

「氷華もおっぱい飲もうね」

「紬生……今日も元気に育ってね」


瑛士は男の子チーム担当。陽日、海聖、奏良、椿希に順番にミルクを作り、温度を確認しながら授乳する。

「36度……うん、今度は大丈夫」

「瑛士、40度は熱すぎる!」莉緒が注意する。

「ごめん……でも、手早くやるぞ」


ミルクを飲ませた後は縦抱きで背中をトントン、軽くさすってゲップを出す。

「よし、出た……よかった」瑛士は小さく息をつく。


***


■犬モードで支える瑛士


授乳やおむつ替えの合間、瑛士は疲れた莉緒を支える。

肩に手を回し、頭をぽんぽんと撫でる。

「莉緒、大丈夫?」

「うん……でも疲れた……」

「休めるときは休め。俺がついてる」


そのままハグして背中から包み込み、頭を額にくっつけて息を合わせる。犬モードの瑛士は、無言で献身的に、でも愛情深く、彼女を守った。


***


■夜中のハプニング


陽日が元気いっぱいにおむつ替えの間におしっこを飛ばす。

「きゃーっ!」莉緒は叫ぶが、瑛士は笑って受け止める。

「陽日……元気すぎるな」

頭を撫で、ぎゅっと抱きしめて落ち着かせる。

「ごめん、でも君の笑顔は世界一だ」


海聖や奏良、椿希も順に授乳を終え、ゲップを出す。少しずつ泣き声が落ち着き、部屋に穏やかな空気が広がる。


***


■交互に休む時間

夜中二時、莉緒はソファに座り込み、肩を落とす。

「瑛士……ちょっと休んでいい?」

「もちろん。俺が代わる」

瑛士はさっと彼女を抱き上げ、横になったまま頭を撫でる。

「大丈夫、俺がついてる」


莉緒はその胸に顔をうずめ、軽く安心した息を吐く。

「ありがとう……」

「当たり前だろ。俺たちの子だ。俺の大事な家族だ」


***


■赤ちゃん一人一人への愛情


夜明け前、七人全員が一瞬だけ静かになった。

赤ちゃんたちはそれぞれのベッドで小さく寝息を立て、天使のように穏やかだ。

瑛士は一人一人名前を呼びながら見守る。

「陽日、よく寝たな……」「海聖も安心して眠れ」「奏良、ぐっすりだな」「椿希、えらいぞ」

莉緒も女の子たちに優しく声をかける。

「美結、いい子ね」「氷華も……」「紬生、よく頑張ったね」


***


■希望の朝


夜明けとともに、七人は再び眠りにつき、家の中に柔らかな光が差し込む。

「今日も頑張ろう……」瑛士が微笑む。

莉緒はその胸に顔をうずめ、穏やかに微笑み返す。


疲れの中にも温もりがある。夜泣きや授乳の24時間戦争はまだ続くけれど、この戦場なら、二人は笑顔で乗り越えられる――そう確信できる夜明けだった。



【次回第23話】

夜中、添い寝中に無意識で莉緒を抱きしめ、「好き…」と寝言。

莉緒、真っ赤になりながらもそのまま眠る。

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