第四章 残されたもの

翌朝、

教室には誰もいなかった。

けれど黒板の端にだけ、

昨日の言葉がまだ残っていた。

「ありがとう」

そして、その下に――

「わたしは残る」

悠真はチョークを握り、

震える手で小さく書き足した。

「また、話そう」

その瞬間、

教室の窓がゆっくり開き、風が吹いた。

ノートのページがめくれ、最後の一文が見えた。

『これで、声は続く。』

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