新入社員向け説明会

皆さんこんにちは。超自然物収集記録法人「Super Natural Object」日本支部代表の川崎 祐介と申します。

この映像をご覧している皆様は厳しい採用試験を突破してこの場に座っているものがほとんどでしょう。まずはお祝い申し上げます。そして、私たちの仲間になることを心から歓迎いたします。

さて、この会社「SPNO」について知っているものがほとんどだと思いますが、今一度おさらいをしたいと思います。

「SPNO」は30年前より突如として現れた、自然法則から外れた『超常現象』、『異常生物』、『異常物品』、『変異人間』などの収集、記録することを目的とした組織です。

収集して記録したものはすべて研究機関に売られ、人類を守るための研究へと利用されます。

しかし、人によって記録方法に差異が生じる場合があります。

そこで、私達の組織では記録文書の書き方を統一いたします。


・ルール1

文章は客観的事実に基づいた情報のみを書くこと。

主観的な感想や推測は、ノイズになり不要な混乱が生じる可能性があるため書かないこと。


・ルール2

記録対象に関する事故、事件、実験などありとあらゆる事例は、大小かかわらず全て記録すること。


・ルール3

発生場所、発生時期はできる限り調査し記録すること。


・ルール4

危険度は、🟢 🟡 🔴 ⚫️の四色で区分すること。

🟢・・・安全で人類の発展のために利用したり、異常物品の収集に利用できるもの。

🟡・・・安全ではあるが使用の仕方次第で危害があるもの。

🔴・・・人命を脅かす危険性があるもの。

⚫️・・・人類の存続をひどく揺るがすもの。


以上が記録におけるルールです。


次に調査のルールをお伝えします。


・ルール1

所持していく武器は許可や、命令がない限り必ず拳銃とコンバットナイフのみ所有すること。(拳銃は社内の武器庫に保管しているグロック19 Gen5を使用すること)


・ルール2

無許可の実験を行わないこと。


・ルール3

チームが崩壊の危機に陥った場合一人でも生き残らせること。


・ルール4

現地住民の安全を確保すること。


以上が調査におけるルールです。


皆さんはこれから先様々な目に合うことでしょう。

人類の脅威と立ち向かいます。命を落とすことは当たり前です。

しかしそんな状況だと、そんな仕事だと理解してここに座っていることでしょう。その覚悟に、意思に私達は敬意を称します。

改めまして、これからともに戦う仲間としてよろしくお願いします。



「以上が説明ビデオだ。何か質問のあるやつはいるか?」


その言葉に誰も挙手をするものがいない。それを見たスーツを着た強面な男は頷き、僕達を別の部屋へと連れて行った。


これから僕はどうなるのだろうか。期待と、ほんの僅かな恐怖で胸が一杯になっていた。

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超自然物収集記録法人「SPNO」 日常さん @nitizyoudaze

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