ミステリ界では有名な「五十円玉二十枚の謎」。推理作家の若竹七海が実際に遭遇したその謎は「本屋にやってきて毎週五十円玉二十枚を千円札に両替する男がいた」というもの。「なぜ男はそんなことをしていたのか?」という魅力的な謎は数多くの書き手によってオマージュされ、数多くの読者を虜にしてきました。
本作はそれを逆手に取り、「千円札を五十円玉二十枚に両替する謎の人物」を描きます。パッと思いつくような動機は次々と否定され、推理は二転三転。果たして結末は――是非皆様ご自身の目でお確かめください!
切れ味鋭い解決編のみならず、キャラが終始非常に立っているのも見所。
探偵役・速水弥は本好きの超ものぐさ男。彼は報酬のたこ焼きだけを目当てに仕方なく謎を解いていきます。
さらにもう一人の主人公、彼の従姉である葵姉さん。彼女は根っからの天然で、あらゆる言動に思わず頬が緩みます(笑)
視点人物をズレた面白キャラ(特に葵姉さん)にするのって結構ハードル高いと思うんですが、本作は見事に成し遂げています。
オマケにミステリ好きにはニヤリとさせられるような小ネタが大量に散りばめられています。君偽様のミステリ愛が存分に伝わってくる一編でした。