世界はいつだって俺に厳しい
白川津 中々
◾️
「あああああああぁ……」
奇声を上げずにはいられない。彼女の誕生日だというのに昨日のパチ、酒、キャバですっからかん。なぜ自制できないのかだって? 俺に聞くな。
それよりも金の調達を急がなければならない。プレゼントは最悪ぎってくればいいがレストランは予約済み。信用情報の関係上カードは使えないから、タカリでもなんでもして現金を用意しなくてはならない。男のメンツは何より大事。ブタバコも覚悟のうえだ。そうだ、いっそタタキに入ろう。その帰りに彼女と飯を食って、レストランを出ると警察が待っている。「あばよ、いい夜だったぜ」といいながらワッパを掛けられて終幕。おぉ、かっこいい。男が過ぎないかおい。よし、そのプランでいこう。そんなわけでやってきました高級住宅街。窓を破っておじゃましまっせー! あ……
衝撃。同時に首元への痛み。ぶち破った硝子が舞い上がって降り注ぎ体を貫通。分厚い強化硝子が頸動脈にスライスイン! もう血がぶっわぁ出てこれは……死……
「これはさすがに……かっこ悪すぎんか……」
あぁ、意識が飛ぶ……なぜ俺がこんな目に遭わなくてはならないのか。たまに悪さはするけど真面目に生きてきたのに……この家が、こんな強化硝子なんか使っていなければ、今頃は金品を強奪してまた遊べたのに……チクショウ、世界はいつだって、俺に、厳しい……
世界はいつだって俺に厳しい 白川津 中々 @taka1212384
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