筋肉転生~異世界で筋トレしていたら王になっていた件~
suna
転生
第1話 転生の儀
―謎の場所―
「一旦分かりました。俺は死んで、ここは天界、あなたは女神マシュリーですね?どうして俺を殺したんですか?」
男はマシュリーの胸ぐらをつかんだ。(胸元が開いた服だったので、肩にかかった部分をつかんだ。)
「元に戻せ!・・・さもないとこのまま殴ります。ベンチプレス150kg上がるんですよ!」
男は、普段温厚で、人を殴ったことなど一度もない。
「ひいっ!やめてください!でも生き返らせることはできません!ごめんなさい!」
多分、生き返れないのだろうと諦めつつの行動だったので、生き返れないことには何も思わなかった。どちらかといえばマシュリーの怯えように驚き、いつのまにか怒りは静まっていた。服から手を放しながら尋ねた。
「それでどうしてなんですか?」
「それが実は、かくかくしかじかで・・・。」
「なるぼど、よくわかりませんが、とにかく大変なことになっていたんですね。わかりました!そういうことなら、早く僕を転生先にとばしてください。」
「ありがとうございます!早速転生の説明をします。あなたが転生先に持ち込めるのは、あなたのこれまでの記憶と、一つのチート能力です。生まれた直後の赤子にあなたの記憶と意志が宿ることになるでしょう。」
「チート能力?それは何でしょうか?」
「チート能力は異世界で無双できる能力です。転生先は剣と魔法の世界。これはお詫びなので好きな能力を言ってください。雷を出したいとか炎を出したいとか。」
「なるほど、それなら俺は好きな時に好きな栄養を取れる能力をください。」
「承知しました。時間もあまりないので、さっそく送ります。あとは現地でいろいろ確認してくださいね。それでは、せっかくなので次の人生、楽しんでください!」
(飢餓でも心配だったのかしら・・・)
ープロテウイーン王国ロイスン村の民家ー
視界が開ける。
(・・・ここは、異世界?ついたのか・・・?なぜだか叫びたい衝動に駆られている!だめだ!抑えきれない!)
「おぎゃーーーーーーっ!」
「生まれたのか!?」
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」
「よく頑張ってくれたな。こいつを一緒に一人前に育てよう。」
「ええ、絶対に、一緒に、よ。」
(なるほど俺はたった今生まれた赤子らしい。うまく転生できたようだ。この人が父親で、この人が医者、この人が母親か、なぜか日本語でしゃべっているようだ。いきなり、育児放棄しないよう夫に釘を差している。タフな母だ。いや、母にそう言わせるほど、父がだらしないのか?とりあえず、言葉が通じるようで何よりだ。)
~翌日~
俺は、レオ・キントという名前になった。
そういえば、女神マシュリーとの別れ際、チート能力を授かったはずだ。
俺は元々、筋トレが趣味だった。
この世界でも筋トレを続けようと思った。だから、好きな時に好きな栄養を取れる能力をくれといってみた。だが使い方がわからない。とりあえず念じてみるか。
(タンパク質タンパク質タンパク質・・・)
ズシッーーー、手に重みを感じる。手元を見ると、俺は哺乳瓶を握っていた。哺乳瓶の中には白い液体が入っている。これがタンパク質ということだろうか。よく見ると哺乳瓶の上にPC画面の映像のような四角い物体が浮かんでいる
~~~~~~~~~~~
プロテイン
栄養成分
タンパク質20g
炭水化物1g
脂質1g
ビタミンB・・mg
・
・
・
~~~~~~~~~~~
どうやら哺乳瓶の中身の説明らしい。哺乳瓶を動かすと映像が後からついてくる。
成分をよく見ると前世で愛飲していたプロテインの成分表に近い。
タンパク質と念じながらプロテインを想像していたからか、プロテインが出てきた。
テロン♪
「スキルレベルがあがりました。ステータスを確認してください。」
突然頭に音声が鳴り響く、ステータス?どうやって確認するんだろう。
また念じてみよう。
(ステータス、ステータス、ステータス・・・)
目の前にまたPC画面の映像のようなものが浮かび上がる。
~~~~~~~~~~~
名前 キント・レオ
体重 4.5kg
筋肉量 2.3kg
魔力量 1cm
タンパク質 20g/53g
脂質 1g/16g
炭水化物 1g/88g
魔質 20g/53g
スキル
スキャン Level MAX すべての食べ物の栄養を確認できる
ジェネレート Level MAX 好きな食べ物を生成できる
~~~~~~~~~~~
おお!俺のステータス!たぶん俺の摂取した栄養がでている!前世で使っていた栄養管理アプリのようだ。
なぜだかスキルが二つもある。
魔力量とか魔質とは何だろうか。さっきプロテインの栄養をみたときには記載がなかったが、もう魔質を摂取しているようだ。レベルがあがって見れるようになったのだろうか。
「レオ、ご飯の時間よー。」
しまった。スキルに夢中で、母の腕の中だったことを忘れてしまっていた。
哺乳瓶はプロテインを飲み干した後勝手に消えていった。ステータス画面や哺乳瓶は母親には見えていなかったようだ。特に不審がられてはいなかったように思う。
母の胸に、成分表が浮かんでいる。
大丈夫、PFCバランスは壊れなさそうだ。俺はありがたくいただいた。
ここから俺の第2の筋トレ生活が、始まる。
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