私は天使、私は希望の子、私は聖母

私が生きて笑うと世界が幸せになる

私が夢を語ると、人はその夢に目を輝かせる

私が人に手を触れると、悪いことや大変なことが、全てなんとかなる。

わたしは、希望の子。

でもあの人に恋をした。ベリアルに、私が創ったあの人に、悪魔に

私は堕ちる

私は堕天する

業火に焼かれるか？聖水に焼かれるか？

天は私を許さない。神は私を裏切り者として追放する。

失楽園

ジョン・ミルトンさながらの宗教観

保育園の頃、クリスマスのお遊戯会で、マリア様を演じた

私は天使だった。

この世を許す聖母だった。

あの人が目の前に現れて、一瞬にして心を奪われた

傲慢、混沌、堕落、欺き、すべてほしかった

ベリアル

ソロモン72柱、68番目

巧みに嘘をつき、甘美に心地よい声で人を堕落に陥れる。

堕天したその瞬間ですら、他の天使を巻き込み堕天させたほど

わたしはベリアルの子らとなる

彼は召喚した者に生贄を望み

生贄を与えない限り嘘をつき続ける

わたしは命を捧げて、あの人に愛をもらう

命を捧げて、真実の愛をもらう

1年後、死ぬことを約束した

「壊してくれ」そう頼んだのはわたし

契約を破棄すれば、家族を殺されるか、私の足が自殺へ向かう

君の足は私のものだ

君の手も私のだ

君のその使えない頭も私のもので

君の心ですら私のものだ

そう言われた。

助けを求めたら、家を燃やそう。と

このまま君を行方不明にしてあげようか。と

悪魔と契約するといい

苦しむより、ずっとマシになる

悪魔と契約するといい

悪魔と契約するといい

わたしは天使

天使、天使という度に思い出すのが

聖書に記載されている天使の姿を忠実に表すと、とてもおぞましいらしい

天使

天使とはなんだ

私は天使だった

私が夢を語ると、みんなうれしそうだった

私は愛されていた

ずっと、ずっと、人から嫌われたことなんてなかった。有り得なかった

人に愛され、人を愛した

趣味も確立していて、心配いらないと

私は希望の子

私だけがまともに生きれる

私だけがこの世で1番人間的

天使が死ぬと、世界に少しの幸せが降り注ぐ

全人類に幸せが起こる

私が死ぬと、ご飯が少し美味しくなる。景色が美しく見える。四つ葉のクローバーを見つけられる。虹がかかる。愛する人と笑える。安らかに眠れる。痛みや暴力が消える。

私が死ぬと、ほんの一瞬だけ、世界が幸せに包まれる

わたしは堕天する

でも、堕ちていくその瞬間

せめて最後に恩恵を

この世界がよく眠れますように

この世界が明るく起きれますように

私が及ぼした痛み、傷、悲しみ

それら全てが私の罪

でも、それはいつか癒える

次の天使が生まれた時、それは癒える

私が死んで生まれた天使に、また夢を見る

それが人の性

それが生命の動き、命の繋ぎ

人が安心して眠り、安心して起きる理由

世界が回り続ける理由

生きることの本質

2025.11.05