第2話

気が付いた






コレは夢の中ね・・何だか、思い出せないけど。と、夢の中で考える。でも、何だかとっても頭が痛いの。考えが纏まらない。


でも、コレが夢だというのは分かる


知らない場所で見た事も無い馬車では無い乗り物。箱のようなものに・・丸い車輪?とも違う、何か。に乗った30代の女性。彼女、いえ、私みたいだ。4、5人の男女はどうやら私の仕事仲間。


「疲れたねー・・・」


「うん、本当困ったクライアントにお客様達だったねー。浮気バレて奥様乗り込みの修羅場まであって・・・もうゲンナリ来たわー」


「ホント、困った人達ー」


「でも、予算は際限なしで。その点はホント、助かった。上流階級何て、こんなもんかなぁ?」


「だねだねー」


「めっちゃ、丁寧な言葉使って肩凝った。2、3日お休みにしよう」


「マジですか?社長!」


「マジ、皆んな~、大きな仕事だったから、今週は休みで良いよー。片付け終わったら、解散ねー。打ち上げ、は明日やるか?」


「「「はーいღ」」」


「じゃ、とりあえず、物品下ろしたら解散ねー  明日は、昼からの出社で良いわよー」


「やったー!」



と聞いた事のない口調で話す彼、彼女たち。どうやら私は社長と呼ばれる上役のようだ。結構自由にしているみたい



そんな彼女、いえ、私が疲れた身体と心を引き摺ってようやく数日ぶりの我がへ・・・

予定より2日早く帰宅


玄関を開けてと。小さく感じるが、この家のサイズはどうやら彼女の世界では、少し大きめの様だ。


帰って手を洗い、玄関から数個目の扉の中はどうやら洗面所と呼ばれる場所。しつこく、うがいなるものをしていた。


そして、2階にあるリビングへ___ん?何か声が聞こえる。そう言えば玄関に見たことある様な、ない様な?靴があった。疲れてたし、見てなかった、よく覚えてない。

お客様かーー、面倒くさいな。私は、案外静かに歩く性質の様で室内の人物達は気づいていない様だ。


一応、お客様いるし。コンコンコン、「ああ」うん、返事ありね。ガチャッ・・・・・

「こんばんは・・・」小さな声になった

何だ??コレ・・・頭が理解することを拒否する。しばらくして起動した私はヨロけた。

ガタッ、お土産も落としてしまった。驚いたのは、旦那と、親友。


ん?!旦那と、親友?


「何してるの?裸で、楽しそうねღ」


青褪める旦那、太々しい親友。いや、泥棒ネコ。いや、猫に申し訳ない浮気者達。


仕事で浮気の修羅場を体験したばかりで、疲れた私の身に降りかかる、夫の浮気・・・・・マジ?  ふーーん


「いや、違うんだ、あーちゃん」


「何が、どう違うの?ハッキリ見たけど。最中じゃん」


「ふふっ、あーちゃんバカね。あんためっちゃ稼ぐし。良い男捕まえて、幸せーღみたいなその感じ、ムカつくのよ」


「あんたには、一言も惚気てないけど?」


「そんな所もヤダったのよっ!何か、女にも好かれてっ?仕事の話、よく聞かせてくれたじゃん。部下、社員の話。自分では自慢してなくても、流れとかで慕われちゃって楽しげなのがムカつくのよ!」


「あーちゃん、ごめん、コレは出来心で・・・・・」


「よりによって、私の親友!?いや、もう違うけど、と?話にならないよ。とりあえず、服着なよ、見苦しい。2人ともどんだけ自分の身体に自信あるの?うっかり、動画に撮れてるよ・・・いつまでも見せつけてないで早く着なよ」


何だか、冷静な風だ。そしてスマホ命の私は手に持っていた。スマホ。コレは、私のあーちゃんとしての世界では、普通にある物らしい。画期的ね!わたくしも、欲しい。水も少し捻れば出てくるし便利な所だ。わたし、は スマホなるものは大好きだけど操作はあまり得意ではないらしくいつも、知らぬ間にカメラ、《その場所をとても克明に切り取ることが出来る。動く画像と声も保存できるみたい、そのスマホなるものの中に。しかも他者にも見せることが出来る。素晴らしい技術ね》を起動してしまう様だ。今回はそれが役に立った。彼らを発見時、カメラ、しかも動画が起動してしまい、仕事の時は社員にヘタクソ言われながらも、顧客の要望を取り入れるために動画、写メ、記録してた。気づいたら自然に撮影してた。


そして、見たくもない物を見てしまった。あんまり夢中で気づかない2人。条件反射的に撮影する私


あーあ、慌てて服を着る2人。親友だった人は服を着ながらも罵声を忘れない、あっぱれ


「あー、どうでも良いけど、とりあえずの物を持ったら、2人とも出てって。私疲れてるの」


「え?、あーちゃん、あーちゃん?!」


「うるさいな、早く、服を着て自分の物持ったらでてけ!残った物は、業者に梱包して貰って送るから、早く宛先教えてよ?離婚届もさっさとサインしてねー。証拠あるから2人とも黒で直ぐ離婚出来るし、慰謝料は、ガッツリ貰うからちゃんと稼いでねー」



それから暫くやっと2人を追い出し、私は腑抜けて座り込んだ・・・・・


フラフラとヨロめきながらキッチンで冷蔵庫なる、物を冷たくしてくれる箱の中から、お酒を取り出して、ガブガブ飲んだ・・・・・

そして、旦那様と親友2人の裏切りに、独り静かに泣いた___胸が張り裂けた


その翌日、ぽっかりと胸に大きな穴を開けたまま出社し、慌てた社員達に泣きつく社長。その後の事も社員達がしっかり手伝ってくれて呆然とした私を支えてくれたおかげで離婚。その後は、どうやら幸せになった様だ朧気な夢の中のわたし


コレって、前世のワタクシ?夢の中で少しずつ理解してきた驚きの、事実!!

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