もう愛はいらない

@chibiku-

第1話

ただいま帰りました





今日は久しぶりに実家に帰り2日早めに戻ってきた。道中スムーズだった為早く着いたの。

私の実家は嫁ぎ先の侯爵家から遠いのだ。何せ辺境伯という事で、国境を守るお家柄・・・

今回旦那様から、少し帰ってゆっくりしておいでとお言葉を頂き里帰りしていたの。慣れない都会暮らしで少し・・いや、とても疲れていた。今は旦那様のお仕事もあり王都で暮らしている。

久しぶりに父と母。兄や、兄嫁、甥っ子、姪っ子達に会って楽しく過ごして来たおかげで肩の力が抜けホッとしていた。


旦那様は私を大事にしてくれている、はず。まだ私が15歳と若く学園を卒業したばかりとあって、私の心が追いつくまでとまだ、閨を共にしてはいない。

ホッとしたけれど、自分に魅力が無いのかも・・・と心配でもある。


でも、それは良い方に考えよう旦那様は優しいだけで無く、とても麗しい方で社交界でも大変な人気だ。

輝くブロンドとスッキリとした大きめの翡翠の瞳。背も高く、鍛えてある身体は程よく、しなやかで優雅な身のこなしと優しい笑顔で女性の心を鷲掴みだ。


そんな旦那様と私は政略ではあるが婚姻し、1年程経った


元々お転婆だった私も一通り修めていたものの、更に侯爵家としての淑女教育を経て貴族女性のマナーと必要な事は文字通り叩き込まれた・・・

それに気持ちを表情に出さないという最低限のモノは手に入れた。それは、自分の性質を押し込め猫を何万匹も被る必要があるがそれでも大切な事だった。



少し早く着いてしまう事は先触れを出してあるからそのまま帰って来た。なんと言っても、自宅だから・・・


それにしては、出迎えの家の者が少なく、何となくバタ付いた雰囲気を感じる。


あら、旦那様いらっしゃるみたいね。そのまま夫婦の部屋へ直行した。とりあえず、部屋に行って湯浴みをしたかったから。


共有のリビングから声が聞こえる。メイドと話している?焦ったような数人の声だあれは、筆頭執事の声かな?


ガチャッ



「お、奥様。おかえりなさいませ・・・お出迎えもせず申し訳ありません」


「いえ、大丈夫です。旦那様は、そちらにいらっしゃるの?お疲れなのから・・・?」

でも、動いている気配がするから大丈夫かな?声も聞こえるし


「「!!!!」」

何?その反応


コンコンコン。「ああ」旦那さまのお返事ね

ガチャッ

「旦那様?少し・・早・・・・・・・」


え?!?!!


そこには、慌ててシーツで身を隠す旦那様と女性の姿が・・・しかも、

「メアリー?」

それは、学園での親友だった


「っ!!!」


おかしいな・・・彼女、私と同じ歳だよね?それは、さておき、私が帰ってこの部屋に到達するまで結構時間がかかっていると思うけど?筆頭執事が出迎えもせずここに居るのに旦那様・・・まだ裸?しかも、女性共々


どんだけよーーー!!!

アレ?何?この言葉・・・めまいするし、気持ち悪い、頭が・・・ガンガンする。


私は、そこから動く事も出来ず___頽れた







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