言葉は陳腐だが言葉でしか書けないこと
- ★★★ Excellent!!!
凄い。
この二文字しか出てこない。
文章が?
いや、もちろん水準以上だが、作者がR09であると考えれば想定内だ。
設定が?
いや、もちろん水準以上だが、作者はR09なのだから、これも想定内。
キャラクターが?
構成が?
以下同文。
そう、ひとつひとつの要素は想定の範囲であるのに、この小説を表すのに、凄いという言葉しか出てこない。
私の語彙力を失わせる根源はだから、技術ではない。
覚悟だ。
これは、アダムがイヴではなく、リリスと結ばれて創造された世界の物語だ。いわば、われわれの世界とは別の、ひとつの世界を根幹から再構築しているに等しい。
読む側としては読みごたえがあり面白いが、書く側は相当の体力、気力、知識、洞察力、その他持ちうるあらゆる能力を最大限発揮しなければならないはず。それをわかって挑もうとする不退転の覚悟を、私は表現する言葉を失うのだ。
この小説を流し読みなどできない。こちらも持てる能力を総動員して挑みたい。