第1話 異世界

この感覚は何だろう体が風で囲まれていると言うか、落ちているような気がする。


目を開けて見ると、


「!?」


上空から落ちてるんだけど、口が開けられない。あれ俺ひょっとして早々死ぬ……?


「ーーっ」


いや、俺にはスキルがあったんだった。

でも、なんのスキルを作れば……そうだ、高い所から落ちても、死なない……魔法?スキルどっちでもいい、早くしないと死ぬ。


俺は落ちても死なないと言うスキルを思い浮かべた。


さっきと同じ様に【落】と言う文字が目の前に浮かび上がってきた。まるでスカイダイビングをしている様だった。実際した事は無いから分からないが、パラシュートがあるかないかの差ぐらいだろう。


「ーーッ!!」


俺は落ちても死なないと分かっていても、やはり怖い物は仕方がない。俺は目を閉じて、顔を隠す様に手を組んだ。凄い音を立て落ちた俺は起き上がろうと身体を動かしたが、起き上がれなかった。

確かに死んでないけど、今でも体が痺れている。


よし、スキル俺は体が痺れない。


目の前に【痺】と浮き上がった。


そしてようやく動ける様になったので、周りを見渡すと俺が落ちた所を中心に地面が潰れていた。


「流石に扱い悪過ぎるだろ」


まだ空から落とされるよりも、教会みたいな所から始まって欲しいぐらいだ。


所でどうしよう、周りに緑しか見えないんだが、どこに行けば良いのだろうか。


「そうだな……サポートしてくれる妖精みたいな奴を出そうかな」


サポートしてくれる、妖精。


【妖精】と浮き上がった。


出てこないな……何かを言わないと駄目なのかな。そして、適当に呼ぶ事にした。


「サポートをしてくれる、妖精出てこい」


そして、目の前が光出した。

手をて見ると、手に何かが乗った。


見てみると、小さな可愛らしい妖精が出てきた。

もう一つ光出しだので、もう片方の手を出したら、棒人間の様な変な生物が出てきた。


「なんだ……!」


俺はつい片方の手に乗った奴を投げた。


「酷なー、どうして呼び出した瞬間に変な生物を触ってしまったかの様に投げるんだよ」

「それは、あなたが変な生物だからでしょ」

「何!? 俺はちゃんとした妖精だぞ!!」

「あなたが、笑わせないでよー」


なんだこいつら、どちらも妖精なのだろうか。それにしても、何故二体、二人? 二匹? が出てきたのだろうか。剣を出した時も二つ出てきていた。もしかして、最初に発動したら強制的に一回は発動してしまうのだろうか。あと最初に発動したら少し時間が掛かると言う事なのか?

それはそうと早速妖精達に聞いてみよう。


「そこの棒人間見たいな奴は妖精なのか?」

「もちろんさ!」

「もちろん私もよ」

「一つ聞きたいんだけど、今近くに魔物はいるの?」

「「周りにたくさんいるよ」」


なんだこいつら、喧嘩をさっきしていたのに、息合っているな。ってそれどころじゃない。


「どこにいるの?」

「右だよ」

「左よ」

「前だよ」

「後ろよ」

「結局どこに居るんだよ!」

「だからね」

「周りに!」

「居るのよ」


本当になんなんだ、こいつら……。

まあ、周りに囲まれて居ると言うことか。多分さっきの俺が落ちた時の音で寄ってきたんだな。取り合いず、剣を出そう。


次は【剣】と言う字が出てきた瞬間に剣が出てきた。

二回目以降はすぐに発動するみたいだな。


「よし、逃げるぞ!!」

「倒さないのか」

「なに言っているの、逃げてから、バラバラになった。魔物達を倒すのよ」

「そう言うことか」

「そうですよね、主人様」

「そ……そうだよ、ただ逃げたいと言う訳では決してないからな」


正直逃げたい、それはしょうがない。まだ見たことも無い得体の知らない生物と戦う程の勇気はまだ持ち合わせていない。


「前に魔物がいるぞ!」

「主人様は知ってるに決まってるでしょ!」

「そうだな、わざと魔物の所に来たんだよなー」


くっ、戦うしか無い。


俺は小さい魔物を狙って剣を振った。小さいと言っても、犬よりも少し大きいが、


カンッと音がして、跳ね返された。


「あれれ」

「なに言って居るのよ、主人様はわざと弱い剣を使い、魔物に自分は弱いと思わせたのよ!」

「そう言うことか!」

「あの、そこの妖精二人組みちょっと黙っててくれない?」


そしたら、妖精は一瞬にしてその場から消えた。

やっとうるさい二人組みが消えたか……。


俺はまず、剣の扱いを上手くする【剣術】を発動させた。


次に今使っている武器を【消】で消して、【魔剣】でもっと強そうな武器にした。


「かかって来い!!」


俺の声と共に魔物が攻撃をして来たので、魔剣で一振りするとーー


剣が真っ赤に燃え付いて、あまりの光で俺は目を閉じた。その後バゥーンと爆弾のような音がした。


倒せたかを見てみると、隕石が落ちた所見たいな穴が空いていた。


「え……?」


まさか今の一振りでこんな穴が出来たのか。思ったよりも強すぎるだろ……。


俺はその場から逃げるように走り出した。





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