第14話 氷の女王と、告白の行方
「……こいつは、俺の、大切な、家族だ。……そして、俺の、一番、大切な、人だ」
屋上で、俺が放った、爆弾発言。
鈴木たちは、しばらく、呆然としていたが、やがて、事態を飲み込んだようだ。
「……はっ! マジかよ!」
鈴木が、笑い出した。
「……家族って、……まさか、義兄妹、ってことか?」
「……そうだ」
「……で、大切な人、ってことは……」
鈴木が、ニヤリと、笑う。
「……付き合ってる、ってこと、か?」
俺は、冬花を見た。
彼女は、顔を真っ赤にしながらも、俺の手を、しっかりと、握り返してくれている。
俺は、覚悟を決めた。
「……そうだ。……悪いか」
「……くっ、あはははは!」
鈴木が、爆笑した。
「……最高じゃん、お前ら! ……義兄妹で、恋人、とか! マンガかよ!」
取り巻きの男子たちも、ざわつき始めた。
「マジか、神谷……」
「すげえな……」
「……悪かったな、神谷」
鈴木が、笑い涙を拭いながら、言った。
「……俺、お前らが、そんな関係だとは、知らなくてさ。……ちょっと、ちょっかい、出しすぎたわ」
(……え?)
鈴木の態度が、急変した。
「……俺、そういうの、嫌いじゃねえから。……応援するわ」
(……なんだ、こいつ)
(……意外と、いい奴、なのか?)
鈴木たちは、「邪魔したな」と言って、屋上を去っていった。
後に残された、俺と、冬花。
「……悠人くん」
「……ん?」
「……言っちゃいましたね」
「……おう」
「……後悔、してますか?」
「……してねえよ」
俺は、彼女に向き直った。
「……もう、コソコソするのは、やめだ。……お前を守るって、決めたからな」
冬花の目に、涙が浮かんだ。
「……ありがとう、ございます……! ……お兄ちゃん……!」
彼女は、俺の胸に、飛び込んできた。
俺は、彼女を、強く、抱きしめた。
メイド服の感触と、彼女の甘い香りが、俺を包み込む。
「……好きだ、冬花」
「……私も、です。……悠人くん」
文化祭の喧騒が、遠くから聞こえてくる。
俺たちの、本当の、関係が、始まった瞬間だった。
その後、俺たちは、堂々と、二人で文化祭を回った。
もちろん、噂は、瞬く間に広まった。
「え、義兄妹なの!?」
「付き合ってるの!?」
すれ違うたびに、視線が刺さる。
でも、もう、怖くなかった。
隣に、冬花が、いるから。
「……悠人くん、クレープ、食べたいです」
「……おう」
「……あーん、してください」
「……え、ここで!?」
「……はい。……恋人、ですから」
冬花が、イタズラっぽく、笑う。
(……こいつ、強くなったな)
俺は、観念して、彼女に、クレープを、食べさせてやった。
周りからの、「甘っ!」「爆発しろ!」という声が、心地よかった。
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