第25話・ベルクード・バラン皇帝02


【なな、なんとか会談までこぎつける事が

 出来ましたけどぉ~。


 相手、皇国ですよ!?

 ウチの何十倍の国力だと思っているん

 ですかぁ!?


 そのトップと1対1での『話し合い』

 なんてー!!

 無礼だと思われたらワタクシごと

 国が消えるー!!】


ボロアパートの一室で、俺はメルダの

心の叫び(迫真)を聞きながら、

目の前のPCに向かってキーボードを

打ち続ける。


「落ち着け。


 言ってみればお前はオモチャなんだ。

 そう簡単に消される事はねーよ」


【ハァ!?

 何ですかオモチャってー!?】


超疑問形の叫びを上げる彼女に、


謁見えっけんの時、お前も聞いただろ。


 お前がアーノルドに策を授けた事も、

 第一王子と第二王子? をやり込めた

 事も、皇帝は知っていた。


 その上でお前に興味を持ったんだよ。

 でなけりゃ、2人きりの会談なんて

 認めるわけがない」


【つつ、つまり~……

 今のワタクシは皇帝のお気に入りの

 オモチャって事ですかぁ?】


そこで俺はキーボードを打つ手をいったん

離して、


「そーゆー事。


 そしてもーっとお気に入りになるため、

 ここで頑張ってもらおうという事だ。


 覚悟はいいか?」


【ここまで来たらやってやりますよ!

 ていうか、もうその部屋の前です

 からね!!】


そしてメルダはベルクード・バラン皇帝の

待つ部屋へと通され―――


一世一代の『会談』が始まった。




「いかがかね?

 余の部屋は」


「そうですね……

 我が国の国家予算が必要そうな調度品が

 あちこちに―――


 目移りして、疲れてしまいそうです」


皇帝は、恐らく個人用であろう小さな

丸テーブルに座り、彼女にも座るよう

勧める。


「では失礼しまして……」


メルダも座ると―――

老人と少女が対峙たいじするような形となり、


【でも本当にいいんですかぁ!?

 最初に振る話題が『アレ』でー……】


「そこが盲点もうてんなんだよ。


 恐らく相手は軍人としても政治家としても

 百戦錬磨ひゃくせんれんまの怪物だ。

 交渉なんて、お前に万が一つの勝ち目も

 あるはずがない。


 多分、ありとあらゆる談議・議論を

 想定して挑んで来ている。

 だからこその―――だ」


そしてメルダとベルクードは、しばらく

出された飲み物を味わった後……

2人は『話し合い』に入った。




「さて、2人きりになってまで、

 余と話したかった事とは?


 君がただの可愛らしい少女でない事は、

 アーノルドにレイナード将軍を撃退させた

 手並みで理解しておる。


 それで、この老骨に―――

 どんな用件、もしくは要求があると

 いうのだ?」


そこでレイサイ王国の王女は、すっ、と

一回息を吸ってから、


「アーノルド様について、ですが」


「うん?

 アイツがどうかしたのか?」


意外だったのか、皇帝は少し声のトーンが

変わり……

彼女は続けて、


「あの方が、女心に少々うといのは―――

 お父様に似たのでしょうか?」


そしてねたような目で老人を見ると、

皇帝は目を丸くして、


「……プッ。


 ワハハハハハハッ!!

 いや、そうか!!

 スマンスマン!!」


室内に響き渡るような大声で笑い始めた。




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