第13話・懐柔
【ぶっはあぁあああ!!
緊張したぁ……!!
約束取り付けたぞ!!
俺はボロアパートの一間で、彼女から
報告&愚痴を聞いていた。
「よくやったよくやった。
これでもう事は成ったも同然だ」
【しっかしですねえ、よくもまあ
ワタクシの言う事を受け入れてくれた
ものだと。
王女とはいえ、しょせんは弱小国―――
それがああまで面白いように言う事を
聞いてくれるとは】
メルダの疑問に俺は、飲み物にいったん
口をつけてから、
「話を聞くに……
本国ではあまり良くない扱いだった
みたいだからなあ。
期待せず、待遇の低かった本国と、
自分たちを英雄と持ち上げてくれる外国。
そりゃどっちの言う事を聞くか、
ってなるとな」
俺の言葉に、向こうの彼女は【うむむ】と
黙り込む。
「あと、駐留させている軍に対しては
ちゃんと対応しているな?」
【あーハイハイ、あれですね。
国民にはちゃんとバラン皇国から来た
救援と説明してますし、英雄と信じて
疑っていないようですが。
でもそれで大人しくしてくれているん
ですから、不思議なモンです】
人権などという考えがない世界―――
占領した国での略奪や暴行など当たり前
だろうからな。
「だって、民衆に救国だ英雄だとチヤホヤ
されるんだぜ?
そこでわざわざトラブルを起こして、
そんな
考えるヤツはいないだろうよ。
そんな事すりゃ仲間に恨まれるだろうし」
そこで俺は一息ついて、
「あと、夜の対応はちゃんとしているか?」
【あーハイ。夜のお店の方々にも通達済み
ですので】
「よし。後は……
彼らがレイサイ王国を離れるまで、
それらを維持しろ。
例の噂を流す事も忘れるな」
【
あのアーノルド様は何としてでも……!
じゃなく、味方に取り込むよう努力
しまーす♪】
本音がダダ漏れだなあ、と思いつつ―――
まあ相手を色恋で落とすのは基本中の基本、
悪い手じゃない。
問題はコイツにそれが出来るかどうか、
なんだけど。
【オッサンオッサン。
何かスゲー失礼な事考えてません?】
「いえ、現実的かつ事実に
考察です。
まあでも、相手はまだ十代後半だったか?
それならお前でも何とかなるかもな」
【しつれーな!!
17才ピチピチの肉体舐めんな!!
王都にいる間に骨抜きにしてやんよ!!】
「ああ、待て待てわかったわかった。
じゃあ、そのための策を考えてやるから」
【はぁああ!?
ワタクシがそんな事で機嫌直す
とでもありがとうございます靴
お舐めします!!】
どうやってだよ、とツッコミを入れるのも
むなしく、また変わり身はえーな、と
思いながらやり取りを続け、
やがて話が終わり、向こうからの声が
聞こえなくなると……
俺はそのまま畳の上にゴロンと寝転んだ。
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