第3話・王女・メルダサイド01
とあるお城の、まるで地下牢のような
薄暗い部屋で―――
ワンレンロングの金髪を持つ童顔の
少女は、付き人の老人に向かって叫ぶ。
「やっやりました!
何とか説得に成功しましたよ!!」
なけなしの予算を使って、勇者召喚……
とまではいかなくとも何とか、異世界の
1人に意識を繋げる事に成功!!
最初は何かウダウダ言っていたものの―――
最終的には同意してくれたようです。
爺やもホッとした表情で、
「おお、何とかなりましたか!
ですがこれはあくまでも入り口……
さっそく勇者様にご助言頂き―――
この
「わ、わかっているわよ爺や。
それでおっさ……
まず、この国に差し迫っている危機に
ついて、ご説明してもよろしいで
しょうか?」
あぶねーあぶねー。
今一瞬本音というかオッサン呼ばわり
しそうで焦ったわ。
【ん? ああ。
そういえばどんな災害に見舞われて
いるんだ?
よし、気付いていないようで何より。
「あー、魔王もいるにはいるんですけど、
魔族の国は地理的にとても離れて
おりますし、今のところ特に危険という
事はありませんね―――
それより今は
2つの国家に狙われておりまして」
【圧力をかけられているとか?
それとも、無理難題を吹っ掛けられて
いるとか】
さすがにそこそこ年を取っているからか、
ある程度の推測も混ぜて聞き返してくれて、
「いやもー、そういうレベルじゃないです。
バラン皇国とギザル正教国……
この2つの大国が、同時に軍を率いて
やって来ていましてですね。
どうしたものかと」
【あー……
ええと、国力差はどれくらいだ?】
「えっと、しょの~……
どちらもウチとは比べ物になりません。
今、双方ともそれぞれ3千くらいの兵力で
侵攻して来ていますが。
どちらの国も本国は10万を超える兵を
動員出来ると思われます。
レイサイ王国は全兵力で2千人くらい
なので……」
ワタクシがおずおずと語ると、オッサンは
しばし沈黙して、
【詰んでいるじゃねーか】
「だから助けて欲しいと言っているん
ですよー!!
異世界にまで手を出して!!」
「王女様、落ち着いてくだされ」
爺やに言われていったんクールダウンし、
「ま、まあ―――
今はそういう状況だという事です。
それで、手はありませんか?
諦めるしかないんでしょうか……」
【合同で攻めて来ているとなると、
もう打つ手はない、が―――
そこのところはどうなんだ?】
オッサンの言葉で
「い、いえ!
どちらかと言いますと、双方お互いに
潜在敵国といいますか……
今回はたまたま、攻めて来る時期が
重なってしまっただけでしょう」
するとオッサンはふむふむと
【その2つの国について、わかっている
事だけでいいから教えてくれ】
「はっ、はい!!」
【ああ、それと―――】
「はい?」
【別に俺の事はオッサンで構わんぞ。
緊急事態だし、表面だけ取り
意味が無いしな】
バレてーら、と思ったワタクシは……
これである意味吹っ切れました。
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