後輩のウザ絡みカノジョとつきあいはじめたら毎日がウザワチャなんですけど

のら坊

第1話:恋の報告会と幼馴染の一刺し

デートの余韻に浸る間もなく、ソウヤにはやるべきことが残っていた。


コトネから借りた自転車を返しに行かなければならないのだ。しかもカホは、デートを見越して“報告会”をセッティングしているらしく、結局、ソウヤはカホをコトネの家まで送り届けることになった。


コトネの家に着くと、あの三人衆が玄関先で待ち構えていた。ソウヤに鋭い視線を浴びせてくるが、カホが「楽しかった」と言うと、少しだけ空気が柔らかくなった……気がした。


「先輩、いろいろダメ出ししときますので、首を洗って待っててくださいね」

そう言い残して、カホは家の中へと消えていった。


ソウヤはコトネに自転車を手渡しながら、お礼を言う。


「なんか、楽しかったみたいね」

コトネがそう言うので、ソウヤは「まあね」とだけ返しておいた。


「カホ、あんなにハイテンションだけど、疲れないのかな?」


ふと漏れたソウヤの言葉に、コトネは少し意地悪そうな視線を向けながら答える。


「心配してるんだ。ソウヤくんが女子に気を使うなんて、成長したわね」

その言葉に、ソウヤは何も言い返せなかった。コトネとも、いろいろあったから。


「まあいいわ。カホちゃん、幸せそうだったし」

コトネはそう言って、ふっと視線を逸らした。


「でもね、心配してることがあるなら、自分でカホちゃんに直接言って。私から伝えると、いろいろ勘繰られそうだから」とぴしゃりと言った。


ソウヤは何も言えず、ただ小さく頷いた。

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