路上占い、あれこれ64【占い師は勝負下着を選ぶ】

崔 梨遙(再)

短っ! たったの672文字です。

 夜のミナミの路上占いをしていた頃のこと。



 僕は女性のお客さんに『勝負下着を買いたいが、何色がいいか?』占わされた。結果、赤、オレンジ、黄色などの暖色がいいと占いの結果が出た。すると、その女性は『男性の意見も聞きたいから』ということで、僕の腕を引っ張って下着売場まで僕を連れて行った。


 僕は、やる気が無かったのだが、女性の勝負下着を選んでいると、なんだかだんだん楽しくなってきた。勿論、(色は暖色だが)僕の好きなデザインの下着をその女性にオススメした。僕の意見は採用された。当然、下着なので試着して見せてもらえるということは無かったが、『この女性が、この下着を身に付けるのか?』・・・と女性の下着姿を妄想すると楽しかった。


 それから、僕は深い関係になったら女性の下着を女性と一緒に選ぶようになった。当然、僕がお金を出すのだが、僕が選んだ下着を次回女性が身に着けてくれる。僕が選んだのだから、当然、僕の好みの姿になる。脱がすのが勿体ないくらい似合っている。楽しい!


 或る日、深い関係になった女性の方から、


「勝負下着を買ってほしい」


と言われて、僕の好みの下着を買った。次回会う時が楽しみだ。僕が選んだ紫の下着は、きっとその女性に似合うだろう。


 ちなみに、僕は紫の物を女性にプレゼントすることが多い。僕が紫が好きということもあるが、紫は昔は高貴な色で、女性に対しての僕の敬意のつもりだった。



 そして、その女性との次回のデート。女性は、この前一緒に買った紫の下着ではなかった。


「この前買った紫の下着は?」

「3日前に着たから、今、洗濯してる」



「誰と勝負したんや-!?」




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路上占い、あれこれ64【占い師は勝負下着を選ぶ】 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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