ほくほくご飯

ついに、温かいご飯を食べることが出来た。しかも、だし巻き玉子と鶏肉とほうれん草も食べた。

まだ喉は痛いけれど、前よりは固形物を飲み込めるようになって、食欲も戻ってきて、うれしい。今日はこの後、炊き込みご飯を食べる予定だ。むふふ。


玉の輿か、逆玉か、どちらが良いかという話がある。私は絶対に後者だ。相手のおかげで成り立つという後ろめたさ、いつか捨てられてしまったらという不安。それももちろん理由には入るけれど、一番の理由は相手に優位な状況が嫌だからだ。玉の輿というほどではないけれど、私の母は専業主婦だった。両親が喧嘩した時には、父が「じゃあ出ていくよ」という言葉を吐いて家を出ることが多かった。その言葉は、自分がいないと生活していくことができないお前らが、俺の言うことを聞かないのはおかしいという意味だったと、私は解釈している。父が私やきょうだいを殴った時もそうだった。「警察に通報しろ、捕まればいいんだろ」という言葉を何回も聞いた。その言葉の意味は、言うまでもない。


だから私は、いつ捨てられても良いように、いつ捨てたくなっても良いように、自分一人で生きていける力がほしい。父は、私にとても大切なことを教えてくれたのだ。


「親が迎えにきてくれている」

その言葉は、小学生の私にとって好きではない言葉だった。自分の身を心配して迎えに来てくれるような親は、私にはいなかったから。小学校までは別に迎えに来なくても困らなかったけれど、友達と遊びに行った日や校外イベントのある日のそれは羨ましかった。今でも駅や塾のちかくに迎えに来る車を見ながら、たまに考える。この人達はきっと、きちんと家族らしく関わり合って生きているんだろうなと。





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