痩身なる水夫よ
痩身なる水夫よ
現実の世界は虚構にしか過ぎない。すべてつまらない意識の仮称の姿でしかない。現実を変えるのは個人の力ではどうにもならないのなら個人の意識を変えていくしかないだろう。ここに詩的生活を宣言するのである。まずイメージしてほしいのは人間意外の存在だ。神ではなく、もっと動物的なものの姿。そこには混沌と過剰と外部への逃走=闘争があるのである。詩の中の言葉にしか世界はない。それは祈りのような念仏なのかもしれない。イメージすること、人間以外の獣たちを。
巡礼詩
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
という本を読んでわかるなら
旅に出はしない。
確かめようと思ったのだ
巡礼の年に
花の色を花の名前で呼ぶのだが
知らない花が多すぎて
それらはぼくらの役にたっているのだろうか?
灼熱地獄の天下では
色などどうでもよくって
欲望も萎えて愛
原色の街は蜉蝣
太古からのせせらぎの音
アメリカアサガオの侵食する世界
セイタカアワジソウの仲間たち
枯野を駆け巡る俳人よ
色の世界を駆け巡る人間よ
彼らはどこに向かおうとしているのか
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