第50話 黒服たち

レイはオウロを連れて、セレジアと密会していたパンケーキ屋に向かう。


入り口からレイが入ると、


「いらっしゃいませ、あ!あなたは先日来て頂いたセレジ─。」

「すまない、いつもみたいに先に来てないか?」

「え?本日はいらしてませんけど……。」

「そうなのか、分かった、また来るからパンケーキ楽しみにしてる!」

「分かりました、お待ちしております!」


レイは外に出て、オウロと話す。


「ここによく騎士団の1人が来るんだけど、今日はいなかった。」

「そうなのか、レイ君は話したことあるのかい?」

「何回かな、騎士団と揉め事を起こした時に話してそれから話せるようになった。」

「騎士団で話しをできる人、そもそもギルドの人間が騎士団と話せるなんてとても貴重だね。」

「そうなのか、マクセルも元騎士団の人だろ?それに、傭兵も騎士団を目指すって言ってたし、貴重なのは変じゃないか?」


レイのシンプルな問いにオウロは改めて答える。


「確かに、記憶をなくす前の君なら覚えてたのかもしれないけど、騎士団とギルドは昔から仲が悪い、しがらみがあるんだ。」

「……そんなことも聞いた気がするな、騎士団がアテネで恐れられてるのにも関係するんだったよな。」

「ああ、今の騎士団は変わってしまった。」

「オウロは騎士団のことにも詳しいんだな!」

「……まあね、僕よりもマクセルギルド長の方が詳しいよ。まだ情報を掴めてないけどどこかでご飯を食べないかい?」


レイとオウロは近くの食事処に向かい、テーブル席につく。


「ここもたくさんのメニューがあるんだな、何がいいんだろ。迷って決められない。」

「確かに難しいよね、そうだ、レイ君の好みの味は思い出せたのかい?」

「うーん、肉料理とスパイスが効いたものが好きかもしれない。」

「なら、この鶏胸肉のハーブ焼き、季節の根菜を添えてがいいんじゃないかい?」

「確かに、美味しそうだ。注文するな、お願いします!」


レイとオウロは注文し、数分で料理が並べられる。


レイが注文したのは、

鶏胸肉のハーブ焼き、季節の根菜を添えて。


300gの鶏胸肉ステーキに野菜を刻んだ塩味の効いたソースをかけ、周りには緑色と赤色の野菜が添えられている。

合わせて、拳サイズのふわふわの丸いパンが3つ。


オウロは、魚介のパスタを注文し、貝や焼き魚を赤野菜を使ったソースで混ぜ、パスタと共にさらに焼いて完成した一皿を。



2人は食べすすめながら、これからの動きを考える。


「アテネのギルドでも、騎士団の宿舎に行っても情報は手に入れられなかった。アンリが来てるかもしれないと思ったけど、それもなかった。」

「彼女はもっと遠くにいったのかもしれない、次レイ君が出会ってしまったらどちらかが倒れるまで戦わないといけなくなりそうだし。」

「その準備をしてるってことか。なら、今は騎士団のことをどうにか調べたいな、力になってくれるかもしれない、あいつなら。」

「レイ君の話したことある人が力になってくれそうなのかい?」

「俺はそう信じてる。まずは一度、カラマタに戻ってマクセルから情報聞いてみるか。ここにいるだけじゃ意味がなさそうだ。」


2人は食事を終え、馬車の時間が合わなかった為歩いてカラマタに戻ることにした。


歩いて約4時間、陽が真上にある為暮れる前には戻れる想定だ。


整備された道を歩き、周りに危険なモンスターは現れない安全な場所を進む。


「アテネへの道はどこも整備されてるよな、都市に向かう道はなんで安全なところが多いんだ?」

「それは、多くの人が行き来するからだろうね。馬車が通る道が安全じゃなかったら、一般人が危険に晒されてしまうからね。」

「でも、アテネには騎士団がいるし強いギルドの人間も多い、むしろ地方の方が安全であるべきじゃないのか?」

「確かに、レイくんのいうことも正しいと思うよ。ただ、現実はそんなに優しくないんだよね。地方をおざなりにしがちなのが、今のイリオスの情勢さ。」

「難しいんだな、現実って。」


2人が話しながら歩いていると、

何者かの気配を2人は感じていた。


(オウロ、4人俺たちをつけてきてるな、見たことあるか?)

(いや、知らない人たちだ。僕らにバレないように隠れながら迫ってる、戦う準備をしておいてくれ、いつ襲ってきてもおかしくない。)

(ああ、オウロが看病してくれたおかげで体は完璧だ。背中は任せるぞ、パートナー!)

(任せてくれ、レイ君。)


2人が同時に振り返ると、4人の全身黒服を着用し、頭に黒いターバンを巻き、顔が見えないように隠した人たちが立ち止まる。


「なあ、俺たちに用でもあるのか?急いでるんだ、用があるなら早めに頼む。」

「……排除する。」


4人の謎の集団は、腰から短剣を抜き逆手に構えて突撃してくる。


「交渉の余地はなしってことだね、いくよレイ君!相手は人間だ、死なせないでくれよ!」

「ああ!戦い方はある程度思い出してきた、やれることをやるだけだ!」


レイは黒剣を構え、オウロは拳を構える。


謎の4人組とレイ達、彼らの戦いの火蓋が切って落とされた。


彼らは何を目的としてレイとオウロをつけていたのか、何を望んでレイ達を襲うのか。

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