大好きだった長馴染みと家族生活を送ることになりました。
鬼ヶ原龍左衛門
第1話長馴染みから恋人に。
高校2年の春、いつもと変わらぬ生活をしていた。西野蒼汰は学校のクラスの中ではどこにでもいる平凡な学生として生活している。何も特徴のなくごく普通な生活しているような俺でも実は同じクラスに小学校からの同級生で仲良くしてくれている人がいる。
「おはよ〜そうたー。」
「紗奈おはよ。よく寝れた?」
「寝れたけどさぁ、もぉ〜…夜電話しても出ないんだも〜ん。」
「わりぃわりぃ。漫画本読んでたら寝落ちしてた。」
「罰として放課後デートね。」
「え!?お金持ってきてなし、なんも持ってきてないんやけど…」
「もう決定事項だから!」
「え、えぇ〜!?!?」
そう、彼女が四ノ宮紗奈。彼女は容姿端麗で性格も良い。高校生でもクラスの中心的な存在で色んな人に同じく接してる、クラスの人気者であり他校からもめっちゃ美人な高校生がいると噂もたつほどのようしを持っている。まぁちょっとギャルいが…
「じゃまた昼休みの時にねー!」
「えっちょっ、えぇ…まぁ別に良いけどさぁ…」
朝から時間が過ぎ、4時間目が終わり昼休みにった。弁当を取り出してたら後ろから声が聞こえた。
「なぁ蒼汰、いつメンで飯食わね?」
彼は安西誠也。高校に入学して同じクラスになり同じバイクの趣味で意気投合し、現在では一番の親友としてよく休みの日や放課後にツーリングをしていろんな場所を巡っている。
「わり、今日は先約がいるんだ。ついでに今日の放課後、予定入っててツーリング行けねぇわ。」
「まさかお前っ…俺を置いて彼女か!?彼女なのか!?」
「バカ!ちげぇよ!今日は用あって紗奈と飯食うんだよ。」
「うわぁ…ずりぃ…」
「ずりぃってなんだよずりぃって…」
「あんなクッソ美人な人と飯食えるの男でお前くらいだぞ?」
「そうか?」
と話をしていたら自分の席に紗奈が来た。
「ねぇねぇそうたー、教室じゃなくて学食で食わね?」
「別に良いけど。」
「放課後デートの計画するから今日は学食で一緒に食べるって決めてたから。」
「デートだって!?蒼汰ずりぃぞ!」
誠也が少し大きな声で蒼汰に羨ましそうに声をかけた。
「デートじゃねぇよ。付き合ってもねぇのに…」
「いいの。付き合ってるみたいなもんでしょ?」
「んな!あんましからかうなって!」
蒼汰が少し赤面しながら突っ込んだ。
「フフwww照れてる照れてる!相変わらずからかい甲斐があるねぇ!」
「もーからかうなって…」
「えー?からかいがあるのにー…付き合っちゃおうよー」
「なんならマジで付き合っちゃう?」
いつもならここで否定をするのだが、いつもやられてばっかだから少しからかってみることにした。
「なら真面目に付き合ってみるか?」
真顔で真面目な感じに紗奈に伝えてみた。
「え、ちょっ…んな…///」
意外な返答に紗奈の顔が赤くなり耳まで真っかっかになった。
「あれ?意外な返答すぎてびっくりした?」
「あ、え?ちっちょ…///そんなことよりほら、学食行くよ!私トイレ行ってから向かうから先行ってて!」
「りょーかい!席確保しとくわ!わりぃ誠也、学食行ってくるわ。ほな先に〜」
「うぃー。行ってらー。」
と誠也は蒼汰に手を振り、蒼汰は先に学食に向かった。紗奈はトイレに行き、個室に入った途端壁に背中を向けて顔に手を当てながらしゃがみこんだ。
「あ、焦ったぁ〜///不意に言わないでよ…///」
蒼汰は学食でいつもの日替わり定食を注文して窓際の席を確保して、紗奈が来るのを待っていた。
「お、来た来た。紗奈〜こっち!」
少ししてから紗奈が学食に到着し蒼汰を探していた。
「席の確保ありがと!」
「んじゃ食べるか。」
二人で手を合わせて「いただきます」をして食べ始めた。
「んでどうする?放課後出かけるって言ってたけど。」
「んー…最近でたコスメ道具なくなりそうだし、最新のコスメも気になるから見にいきたいな。それに今日、ナイトマーケットやってるみたいだから一緒に行かない?」
「今日か、ナイトマーケット。久々に行ってみるか。今桜咲いてる時期だし、ライトアップされてるかもよ?」
「え、マジで?行きたい!写真映えそうだなぁ〜!」
「花火も上がるみたいだし。」
「決まりだな。1回着替えてく?」
「久々に制服でいいんじゃない?」
「分かった。1回家寄るけど良い?」
「良いけど、どした?」
「出かけるならいつもの格好したほうがいいっしょ?制服でも良いけど、あんましこの感じで出歩きたくないし。」
「いかにも陰キャっぽいし?」
「しゃぁないやろ?じゃないと先公に怒られるし…」
「先生でしょ?ヤンチャしてた頃ノ感じ出てるよ?」
「あれ?まじか。中々抜けないもんだねぇ…」
「しっかりしてよ?」
「あぁ。わーってるわーってる。」
そんなこんなで話が進み放課後に二人で出かける事になった。
「次の授業ってなんだっけ?」
「確か〜…科学だったな。」
「えー鬼の榊原じゃん嫌だ〜…」
「まだ榊原の方がいいじゃん。数学の佐藤の方が俺は嫌だよ…」
「どっちもどっちじゃん。。。」
「それもそうか…」
昼休みが終わり、午後の授業が始まったのだった。
『さよーならー』
授業も無事終わり学校が終わった。放課後になった途端、紗奈が蒼汰が座っている窓側の一番うしろの席まで小走りで来た。
「行こ!」
「りょーかい!行く前に職員室寄って良い?」
「どした?」
「先生に頼まれてた書類出しに。」
「分かった。付いてく。」
用事が終わり蒼汰が職員室から出てきた。
「失礼しました。」
「用事終わった?」
紗奈がワクワクしながら蒼汰に問いかけた。
「うん。終わったよ。よし、行くか。」
「うん!早く行こ!」
「ナイトマーケットまで少し時間あるから欲しいやつ買い足しに行く?」
「んー…」
紗奈が顎に手を置いて少し考え込んだ。
「あ、そうだ!いつも使ってるコスメの会社が新作出したみたいだから、コスメのショップに行きたいかも!」
「んじゃぁそこに行くか。」
「りょーかい!今日も単車で学校来てるからそれで行かね?家に寄っていつもの格好で行きたいし。」
「分かった。ありがと!」
単車置き場に着いて紗奈がある事に気付いた。
「あれ、バイク変わった?今まで原付だったけど。」
「あーあれか。あれぶっ壊れてさー。んで直そうと思ったんだけど修理費が高かったから廃車にしたんだよ。んで親父が日本にいた時に乗ってたクルーザーにした。親父が大事にしてたやつだから捨てるにも捨てれなくて…」
「そうなんだ…」
蒼汰の両親が中学の時に海外に転勤になったのだが、日本にいたいってのと中学時代にヤンチャしていた事もあり、俺と姉は日本にとどまることにした。
「捨ててなくてよかったよ。」
そう言いながらバイクのエンジンをかけた。
「ほらヘルメット。それつけたら乗って。」
「うん。」
無事ヘルメットも着けて後席に乗り出発して学校を後にした。
無事家に到着して駐車場に単車を置いた。
「家に上がってもいいよ。」
「ありがと!そーたの家久々〜」
そう行って蒼汰の家に上がった。
「ただいま~。」
「おじゃましまーす!」
「お、帰ってきたか愚弟よ。」
「げ、姉貴帰ってきてたの?出張じゃなかったの!?」
「『げ』ってなんだよ!『げ』って。出張終わって報告書まとめたら次は別支社に異動出て数年間そっちで仕事になったんよ…」
「会社大変そうやな…体壊すなよ?」
「分かってる。出張先でもくっそ遊んできたし。ってか紗奈ちゃんじゃん!久しぶり〜!元気にしてた?」
「美咲さん!おじゃましてます。お久しぶりです!なんとか元気です!」
「愚弟、こんな可愛い子に迷惑かけてないでしょうね!?」
「かけてるわけ無い!……はず……」
「昔の癖がいまだに抜けてないんだろ?紗奈ちゃんから情報もらってるんだからねぇ!?」
「マジか…」
と言いながら蒼汰がしょんぼりした。
「まぁそんなこったろうだと思うわ。あんまり紗奈ちゃんに迷惑かけんなよ?」
「わーってるわーってる。」
と談笑していた。
「じゃあ俺は準備してくるから紗奈このままリビングで待ってて。準備してくるわ。」
「分かった。私もちょっとメイク直したいなぁ…美咲さん…」
「んん?どした?」
「メイク直したいんで洗面所借りていいですか?」
「ええよええよ。好きに使いな?」
「ありがとうございます♪」
と言い、紗奈は洗面所でメイク直しをしに移動した。しばらくしてどちらも準備が整った。
「いやいやいや…蒼汰…良いんやけどさ…なんかどことなく平成を感じるのは気のせいか?しかも平成のヤンキー感…」
美咲が懐かしさを感じつつ蒼汰に問いかけた。
「しょうがないだろ?姉貴がつるんでた先輩たちこんな感じの人が多くてその人たちから貰ったやつとか付けたらどうしてもこうなるって。」
丁度紗奈も身支度も終わってリビングに来た。
「それに比べて紗奈ちゃんはギャルっぽいけどしっかり落ち着いた感じで超いい感じ!」
「そうですか!ありがとうございます!」
(さすが元ギャル…姉貴もギャル抜けてねぇな…)
「よし、美咲行くか。姉貴行ってくるわ。」
「おう!いってらっしゃ~い!」
家を後にし、大型複合施設に向かってバイクを走らせた。
「よし、着いた。」
「ありがと~!なんか飲み物奢らせて。」
「え、良いの?じゃぁお言葉に甘えさせて貰うわ。」
「早く行こ!ほら早く〜!」
「ちょっとまてって…」
早速店の中に入り、カフェに向かった。カフェに入り早速注文をした。
「いらっしゃいませ〜!スターフォックスへようこそ!注文をどうぞ!」
「何にする?」
「そうだなぁ…カフェモカのラージサイズでホイップ追加で。」
「じゃぁ私はカプチーノで、ミルクは低脂肪のやつでお願いします!」
「かしこまりました!出来次第運びますので席でお待ち下さい!」
「「はーい」」
注文が終わり窓側の奥の席へ移動した。店内はかなり落ち着いた雰囲気でゆったりとしたジャズの音楽が流れている。
「久々にここのカフェなんて来たわ。今日おじさんの店休みでよかったー。」
「おじさんの店って何やってたんだっけ?」
「昼は喫茶店でコーヒーとか軽食出してて、夜は居酒屋というかBARっていうか、酒を嗜みながらご飯とか食べれる、いわゆるダイニングバーっていうのかな?そんな感じの店だよ。」
「へぇ〜!すごく良いね!今度行ってみたい!」
「オーケー。おじさんに言っとく。」
「ありがとー!けど未成年でも入れるの?」
「うちの店、未成年オンリーでも来れるようにソフドリも豊富に取りそろえてるし、高校生とかが打ち上げとかで使えるようなブースもあるから誰でも歓迎!」
「凄いね!いろんな人が来れるような店にしてるのね。」
「若い人たちにもいろんな思い出を作ってほしいって理由で始めたみたい。けどその分業務が増えて大変だけどねー…」
なんて色々と話していたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
「もうこんな時間!早く買ってナイトマーケットいこ!」
「おぉ。もうそんな時間たったのか。よし、行くか。」
カフェを出て、コスメを取り扱っている専門店へ数店舗行き、様々な種類の商品を購入した。様々な商品を購入していたが、蒼汰には何がどう違うのか終始チンプンかんぷんであった。
「気になってたアイシャドウとファンデ気になってたんだよねぇー!買えてよかったぁー!」
「それは良かったなー。」
興味が余り無いのもあり、ものすごく棒読みに言ってしまった。
「何よそれー!すごい棒読みじゃん!」
「すまんすまん、あまりこういった化粧品とか分からないもんで…」
「もー…まぁいいけど。それよりも早くナイトマーケット行くよ!」
「おう!」
そうして駐輪場へ行き、ナイトマーケットの会場へバイクを走らせた。やはり少し大きめなナイトマーケットというのもあり、会場周辺の道路はとても混んでいて、駐車場も満車だった。なので少し会場まで歩く場所へ駐車した。
「ごめんな。少し遠い駐車場で。近くの駐車場全然空いてなかったからここにしちゃった。」
「全然大丈夫!むしろのせてきてもらってありがとう!」
「オレも行きたかったし。ええよ。よし、んじゃあ行くか!」
「行こ行こ!めっちゃ楽しみー!」
「そんなに急がなくてもナイトマーケットいなくならないって!」
ナイトマーケットへの会場へと足を運んだ。その道中で前から少量の血を流しながら走って来る人がいた。
「誰か!助けて下さい!丁度いい所に!そこの強そうなお兄さんお姉さん!助けて下さい!」
と言いながら腕をガシッと強く掴んできた。結構な迫力で少々びっくりした。
「そんなに慌ててどうした。ちょっと落ち着けって…龍也!?」
「え?なんで俺の名前を…その声と見た目、蒼汰先輩!?お久しぶりっす!そのお隣は…紗奈先輩!?あ、どうも…///そんなことより助けて下さい!」
俺らが中学3年の時、1年生だった時の後輩、龍也が前から走ってきたのだった。初めて知り合った時から凄く慕ってくれてた奴の一人で、とても可愛がっていた。
「まぁ落ち着けって。どうしたんだ?」
「いつものダチと一緒に歩いてたら急に変なヤンキーみたいな高校生にイチャモンつけられて俺だけこっそりと抜けてきて誰かに助けを求めようとここまで来た感じっす!」
「そうた、どうする?助けに行く?」
「うちの可愛い後輩をいじめるやつは許さねぇ。俺は行くけど。紗奈はどうする?」
「あんたなら行くと言うと思ったわ。分かった。」
「じゃあ紗奈は後輩達の手当てをお願い。その間俺がそいつらを片す。龍也、その場所までの道案内をお願い。」
「了解っす!ここからちょっと行った所っす。こっちっす!」
と言われ、龍也に走ってついていくことにした。場所は走って数分の商店街の裏路地で、ほとんど人目のつかない場所であること無い事言われ、一触即発の状態であった。
「先輩、あそこっす!」
「了解…久しぶりに一狩り行くか…おいおいおいおい!テメェらぁ!」
と言いながら高校生へ声をかけながら近づいていった。
「そうたー!ほどほどにね!」
と言われ、蒼汰は手を挙げながら高校生の方へ近づいていった。
「なんだテメェやんのかゴルラァ!」
「そうキレんなって何したんだよ。」
「そ、蒼汰さん!?」
「おう!お久!たまたま龍也に会って助け求められたから来ちゃった!んでどしたん?」
「ぶつかったから謝ったのにすげぇキレられた挙げ句、持ってる金寄こせって言われて…嫌って言ったら殴られたんっすよ。」
「状況は理解した。」
蒼汰は紗奈の方を向いて相槌をした。紗奈も何かを察したのか携帯を取り出して何処かへ電話しだした。
「なぁ、年下からカツアゲ辞めましょうや。ぶつかってごめんなさいって謝ってるやん!」
「うるせぇよ!こっちは制服汚れとんねん!汚したんならクリーニング代位寄越すのが筋ってもんやろがい!」
「その汚れ今汚れたんとちゃうやろ。見ればすぐ分かるわ。」
「う、うるせぇ!やっちまうぞ!」
「あーハイハイ。勝手にやってろ!」
「このクソ野郎!」
と言い、そこにいた高校生数人が蒼汰に殴りかかってきた。しかし、その高校生全員を蒼汰一人で軽々と倒してしまった。
「よし、いっちょ上がり!」
と高校生を捻り倒した直後に警察が到着した。このあと、警察に事情聴取され事の顛末をすべて話したがやり過ぎだと怒られてしまった。
「大丈夫?怪我ない?」
と紗奈に心配された。
「いやぁー、中学の時までだけど格闘技習っといてよかったあ。」
「もー!いくら格闘技やってるからと言っても心配したかね!しかもブランクがあるならなおさら!」
「ごめんごめん(笑笑)今度から気を付けるよ。」
一悶着あったが警察に全て任せて、紗奈と蒼汰はナイトマーケットへ向かった。
「ナイトマーケットって言っても春祭りみたいやね。」
「んな。もう春祭りみたいなもんやろ。」
「丁度桜も満開でイソスタにあげればバズりそう!」
「あそこに焼きそば売ってる出店食べる?」
「うん食べる!早く行こ!」
そう言って紗奈が蒼汰の手を引いて出店の方へ走った。
「へいらっしゃい!何にいたしやしょう!」
出店で働いているおっちゃんが元気よく話しかけてきた。
「焼きそば2つと…紗奈、他に欲しいのある?」
「りんご飴食べたーい。」
「じゃありんご飴一つと唐揚げ棒の特大一つ下さい。」
「はいよ!2500円ねー。」
と良い店主が鉄板に乗った焼きそばをパックに詰めた。
「まずはりんご飴ねー。これと焼きそばと唐揚げ棒特大ね!あんたらお似合いのカップルだからサービスで多くしといたから。毎度ありー!」
会計を済まして出店を後にしてほかの出店も見て回った。
「なんか得したねー。」
「優しい店主で良かったわ。(カップルは余計だったけど…)」
「焼きそばもサービスしすぎてパックから溢れてるもんww」
「唐揚げ棒買ったけど串に刺さりきらないからパックに入っちゃってるもん…食いきれるか心配やわ…一口だけ食べちゃお。」
蒼汰が唐揚げを一つ口に頬張った。
「待ってこれめちゃくちゃウメェ!米に合うぞ!しっかり醤油の味がついててニンニクの風味も効いてる。あそこの出店唐揚げ屋やってるな?」
「そんな美味しい?私にも一つ頂戴!」
「ほら。」
蒼汰が紗奈の口の中に唐揚げを入れてあげた。
「熱っ!……めっちゃ熱いけど美味しい!え、やば!」
「だろ!?美味すぎてびっくりした。」
そんな話をしながら色んな屋台を巡って色んな屋台を満喫した。そろそろ舞台の演出も大詰めとなり、2人は最後の演目を見に舞台がある広場まで来た。
「今回の春のナイトマーケットと言う名の春祭りですが、舞台での演目も最後となりました。いつもであれば有名なバンドであったり歌手を呼んでいたんですが、今年は少し変えて、和太鼓の演奏で世界中を飛び回るお方に来てもらいました!それではお願いします!!!」
とMCが話した後に演奏が始まった。舞台が真っ暗な中、とても重く大きな音で大太鼓が鳴りだした。ゆっくりなテンポで大太鼓の音が鳴り出してから中太鼓や小太鼓、担ぎ桶太鼓、笛などが鳴り響き見に来ていた人々はその世界観に引き込まれていった。
「凄いねぇ…凄く迫力がある…」
「んな。すげぇデケェ大太鼓の迫力すげぇな。。。」
和太鼓の演奏に場内にいた観客全員が聞き惚れていた。どうやらこの和太鼓チームは世界で活躍している和太鼓チームで各国の会食や集まる祭典でも引っ張りだこのチームらしい。このチームは地元らしく、地元を盛り上げたいからと理由でナイトマーケットに出演してくれたとのこと。そしてこの舞台では曲や歌をこの祭りで披露してくれた。
「この演目終わったらさ、ここから少し離れた場所にとっておきの花火スポットがあるんやけど、行く?」
「マジ!?ちょー行きたい!」
「んじゃぁ見たら行くか。」
演奏が終わり、花火がよく見える、穴場のスポットまで2人はバイクで移動した。
「ここよくじいちゃんとよく見に来たんだよ。出店があるところからは少し離れてる所だけど空気もきれいだしいい所なんだよ。ツーリングする帰りにちょいちょい来て休憩スポットにしてる。」
「へぇ〜!人もおらんし最高の景色出し最高!」
「良いところなのに人も来ないからユックリ花火見れて最高なんだよここ。」
そんな話をしているうちに花火が打ち上げられ、ナイトマーケットのおおとりである花火大会が開催された。
「綺麗ー!」
「今年は紗奈と見れて良かったわ。たまにはこんなのもいいかもなー。」
「じゃぁまた夏祭りに来よっか。」
「あぁ。また夏祭りに来ようか…なんか視線を感じるのは…気のせいか?」
「またまたぁ…気を張りすぎ!たまには気を緩めなさいよ?」
「お、おぉ…」
その視線を感じるのは当たりで、近くの木陰で蒼汰の仲の良い奴らがたまたま蒼汰を発見して後をこっそりつけていた。
「あの野郎…学校の美人四皇の中でも一番美人と言われてる四ノ宮紗奈と一緒に歩き回りよってー…」
「なぁ誠也、紗奈に言われて一緒に来てるんだし蒼汰にキレんなって」
「うっせぇ!誠二郎!」
「その言う通りだって。そんなにキレても何も起きないって。」
「康太にもこの気持ちが分かるかい!」
「そこにいるのは…誠二郎と康太…とキレ症やんどしたん?」
「誰がキレ症や!誠也だっつの!って瀬奈?四皇メンバー3人揃ってなんでここに?」
ここに偶然紗奈の友人である瀬奈、優奈、唯が現れた。紗奈同様ギャルっぽい見た目だがめちゃくちゃ美人で紗奈含め美人四皇と呼ばるている一員である。ここにいる全員はクラスメイトだが、そこまでガッツリ関わりがあるわけでは無い。
「四皇って呼び方辞めてくんね?あんまし口にしてなかったけどあんまし好きじゃないんよ。まぁ美人なのは認めるけど♪」
「それは認めるんか(苦笑)。ってかあれ見てみろよ。」
「ん?紗奈と蒼汰?あーね。紗奈が今日デートするんだーって一人で騒いでたわ。」
「はぁ!?デート!?」
「「バカ!声でかい!」」
優奈が言い、誠二郎がモゴと音を立てながら頭を押さえつけられた。
「まぁ蒼汰好きピって言ってたし、デート出来るってんならあんなに喜んでるんなら付き合い出すのも時間の問題だな。誰がどう見ても両思いやし。」
そう優奈が言った。
「紗奈があんなに喜んでたの久々に見た。口を開けば蒼汰っちの事ばっかだし、は夜付き合って欲しいな。」
「唯まで…そこまでか…まぁ蒼汰も好きそうな態度ちょくちょくあったからな…あぁ、もう、付き合っちゃえよ…!」
「まぁまぁ、誠也落ち着けって。」
「そんなんだから持てないんだぞー。」
「誠二郎に康太…テメェら…後で覚えてろよ…。」
そんなこんなで話も進み、花火大会も終盤に近づきフィナーレに近づいた。
「花火そろそろフィナーレだね。もっと見たいのにー!」
「そうだな。なぁ紗奈…」
「ん?どしたー?」
「俺ら、小学校からの長馴染みやん?」
「うんそやね。それがどした?」
「その…最近はというか、高校に入ってから特に二人で出かけたりとかしてるやん。」
「まぁ昔っからつるんでたし、一番信頼してるってのもあるし、蒼汰といると気も楽だし。」
「ん…///まぁ俺等の学年だと一番付き合い長いし。その…高校に入ってから高校生らしい生活したいと思ってたんだよ。ほら、中学の時は結構やんちゃしとったやん。」
「確かにねぇ。手つけられん位やんちゃしてたもんねぇ。一時期やばかったもん。中2の時、私が他校の不良集団に絡まれてた時、助けてくれる為に単身で突っ込んでったけど全身傷だらけになってたもんね。結局は全員ボコしたけどさ。あの後凄い話が広がってか先生とか親に凄く怒られたよね(笑)」
「辞めてくれ…あれは今でも恥ずかしい…単身で乗り込んだ俺がバカだった。後から連れが来たから良かったけど…次の日からクッソ怒られまくって数日しんどかったなぁ…まぁ紗奈が無事で良かったよ。多分あの時からだったんだよな。大事にしようって思ったのは。」
と言いながら花火を見ていた。
「なぁ紗奈…」
「ん?」
蒼汰が紗奈の方を向いた。その視線も気付き、紗奈も蒼汰の方を向いた。
「小学校にいた時から好きだったと思う…いや、すきだった。中学のあの時から紗奈を変なやつから守りたい、俺の手で守りたいって思って必死に勉強して同じ学校に入った。荒れてたけど、真面目に生きようって決めて今まで紗奈に釣り合う様な人間になろうと頑張って生きてきた。まだまだ至らない所は沢山あるけど、そんな俺と付き合って…くれませんか?」
蒼汰が耳まで真っ赤にして告白した直後にフィナーレが始まった。
「え、ちょっ///急に!?」
「「「まじ!?!?」」」
コソコソ見ていた組も急な告白で顎が外れる位びっくりした。
「告る場所の雰囲気は良いんだけど、雰囲気作り雑すぎかよ。あいつらしいけど…(笑)」
誠二郎が微笑ましく見守っていた。
「待って…気持ちの整理が…いきなり急すぎて…///」
「あ、ごめん…そんな急だった?」
何か大失敗したかと思い、凄く焦り頭の中が混乱した。
「…ぷははは!そんな困り顔久々に見た(笑)。あはあ…」
「そんな笑わなくても…」
とこんなはずでは無いと思って凄くしょんぼりしてしまった。何が悪かったんだと思いながら猛省した。
「ごめんごめん(笑)、思い出話かなと思ったら急に告白されたからびっくりしちゃった!」
「そ、そうか…」
「私もね、中学のあの時に惚れちゃったと思うんだ。必死に連絡しようとしたけど手が震えて文字打てなくてさ…電話なら出来るかもと思ったけど怖くて声が出なかったけど、場所突き止めてすぐに駆けつけてくれたじゃん。」
「たまたまだったよ。あの時、テレビ電話にしてくれたおかげで場所も分かったし、助けられたんだ。」
「それでもさ、私が助けられたのは間違いないし、その時に真っ先に勇気を振り絞って蒼汰に連絡して良かった。私で良ければお願いします。」
そう言って、満面の笑みを浮かべたと同時に最後のフィナーレを飾る大きい花火が打ち上げられた。花火大会が終わったと同時に、2人の熱いラブストーリーが始まったのである。
大好きだった長馴染みと家族生活を送ることになりました。 鬼ヶ原龍左衛門 @onigawara-ryuuzaemon
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