続・あなた色に染まる
あおじ
キスはまだはやい
きす?鱚?キス?
「……先輩」
「んー? なにー?」
夜の騒然とした居酒屋でこんなことを先輩へ相談するのはもしかしたら場違いなのかもしれない。
「恥を忍んでお訊ねしたいのですが……」
「マジでなんなん? 改まり過ぎて怖いんだけど?? おれまたなんかした??」
枝豆を食べていたはずの先輩はすっかりとその手を止めて青くなっている。“また”と思うあたり、ちゃんと色々と自覚してくれているようで安心した。
「モタモタしないで早く言えよ! 怖いんだってばもー! もー!!」
早くしろと言われても、場違い以前にこんなことを先輩に相談しなければならない自分が情けなくて恥ずかしい。
だがここは男として覚悟を決めるべきだ。その為に今日は俺から先輩を誘ったのだから……。
「……き、」
「“き”? なに?」
不審そうに俺を見る先輩。ええいままよと自棄っぱちになって吐き出す。
「き、きす──」
「あ、
「キスを、恋人とするにはどうすればいいでしょうか?!」
「…………………………は?」
ポカーンと大きな口を開けて固まる先輩。……分かってはいたが、本当にこういう反応をされるのだな。
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