レイプした女が俺に婚約を求めてきた

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レイプした女が俺に婚約を求めてきた

 レイプした女が俺に婚約を求めてきた。

「頼むから結婚して!」

 繫華街で二人仲良く疾走する男と女。もし別の人物から見ればお互いに月9のドラマのような恋愛。痴話喧嘩のように思えるだろう。しかし実際はそうではない。レイプ被害者と強姦魔である。

「いやお前俺がレイプしたんだぞ!」

 レイプしたという最低な人間である事を知っているにも関わらず女は男に向かって疾走して婚約を求める。少なくともレイプした男はまさかレイプした女が自分に向かって婚約を求める基地外女だとは思わなかっただろう。

(おいおい噓だろ。俺はただ気持ち良く一発やれただけで十分なのに)

 男は出会い系サイトで女と知り合った上で酒に睡眠薬を混ぜレイプしたのだ。そして女が目を覚めると男に責任を求めて結婚を要求したのだ。

(なんで最初から)

「責任取って!結婚して!」

 女は見た目は細見だが妙に身体能力は良かった。まるでドット絵のようなカクカクとした気持ち悪い走りで男を追う。男は必死に走ったが息が切れた。

男をぜえぜえと大きな息切れをすると女は男の袖を掴んで無理矢理キスをした。

「うっう」

 女はベロチューをしたが男の口の中に入ったベロのブルーチーズかそれとも腐った魚の匂いが口の中で大量に充満した。この千年の恋も一瞬で覚める。魔女の王子様に対する口づけにより婚約破棄はもはや絶対だった。

 男はようやく女の捕食から出ると、

「なんだよ。お前」

「責任取りなさい私と結婚しなさい」

 男には理解できなかった。レイプした直後なら女が泣きわめくのだと思っていた。しかし、そうではないこの女は病人だった。レイプした男に結婚を要求するイカれた女だった。

「助けて!」

「あなた私を孕ませたでしょ」

 男にはその発言を理解できなかった。まだ会って半日しか無いのにそもそも孕む物なのかと?。

「えっ?確か、えっ?」

「間違いないわ」

「ちょちょえっ?」

「とりあえず、近くの店で話ましょう」

 女は男の袖を引っ張り近くのファミレスに無理矢理連れて行った。

「ここね結婚して初めてここに行くのは」

 女は男を無理矢理とんでもない握力でファミレスに連れて行った。まるで子供を無理矢理あやすように。

この時ファミレスではマイケルジャクソンのビリージンの曲が流れていた。

 (そういえばビリージンて曲は俺が小さい頃。よく歌ったんだが大人になって歌詞を見るとビリージンという女と一夜をしてしまったがその後に女が子供を連れてあなたの子とか言うようなイカれた女についての曲だった記憶がある。今でも英語は苦手だ。そして今の状況はもっと苦手だ)

 女の見た目はなかなかエキセントリックな見た目をしていた。女の首には謎の穴があらしき物があり、そこに恐らく機械音らしき音がコヒューコヒューとまるでダースベイダーのように息を吸う音が聞こえた。女は長髪で帽子を被っていて顔はよく見えない。そして終いには女の体から謎の匂い。腐ったチーズの匂いがするのだ。明らかに人間が発する匂いじゃない。

「あなた」

 女は喋る度にコヒューコヒューという音が聞こえる。

「いや」

 女の首元にある謎の穴。これはレイプする前はそこまで気にしていなかった。何故ならレイプした後は即合わないようにするからだ。

「えっ?」

「あなた私と結婚して」

「なんで?」

「私の子供を作ってしまったからだよ」

 女は訳知り顔でそう発した。

「いや確かに中出しはしたけど子供を作るというかそんな簡単に中出しても作れないだろ」

「いや、私の体を貴方の子供作ったてそう確信したわ」

「いやいや、噓でしょ」

 女の一挙一動が恐怖の対象だった。男はレイプ魔とかいう鬼畜外道のゴミなのに何故だか小心者になっていた。

「ごめん!君の相手にはなれない」

 俺は意を決して言葉を言うと。女はガクンとファミレスのソファで体から転げ落ちた。

「よし逃げるか」

 男はそうなった瞬間にすぐさま、ファミレスから逃亡。しかし、女が猛スピードで俺に近づく。

カクカクとした動きとコヒューコヒューとした息。男は根源的恐怖を感じてしまう。

「助けてくれえ!」

 まるで男と女の立場が入れ替わった。正しく真の男女平等の瞬間であった。

「責任とれえ」

 女は幽鬼のような形相だった。まるで山姥である。

「はあはあ」

 しかし、途中から男は走ると後ろに追いかける女の姿はなかった。男はひとまず一安心だった。

「はあはあ」

 男は何故だか不安になって、追いかける女を探し始めた。

そして女を見つけると倒れていたのだ。呼吸器が外れ肩から腰にかけて倒れていた。男は心配になって呼吸器を首に戻すと。

「何故呼吸器を付けていたんですか?」

 男はそう言うと。

「難病よ。私は体がもう未知の病でもう人生は未来が無いのでも、せめてあなたとの結婚をしたかった。あなたのレイプは最悪だけど素晴らしかった。だから貴方は運命の人に思えたの」

 男は泣き出した。まさかこの女が頭のおかしい女だと思ったらそんな切実な願いだったなんて。

「でもあなたには迷惑だったようね」

 女がそう言うと。

「そんな訳ないです!貴方は素晴らしい人です!」

 そうしてレイプ魔の男は心を入れ替えた。ちゃんと働き始めて結婚式まで挙げた。そしてちゃんとした子供まで孕んだ。

「もう余命はない」

 女は病院で妊娠しながら、現在破水中でもう余命がない事を悟っていた。

「でも子供は産みたい」

 しかし、病気で子供を産むのは非常に危険だった。難産だった。

「諦めるなあ」

 入れ替えた男は女に対して言うと、涙を流しながら悲しんだ。

ピピピと音が鳴ると女は死んだ。病気で死んだのだ。看護師たちが見守る中、妊娠最後はラストスパートだった。

「頑張れ!頑張れ!」

 男は女に対して頑張れ!と応援を死体に向けて言う。誰もが諦めた時に奇跡が起きたのだ。なんと子供が出産したのである。母体は死体にも関わらず正しく奇跡だった。

「おぎゃーおぎゃー」

 赤ん坊は元気に鳴くと。看護師は真剣な顔だった。男は赤ん坊を出産したのを見ていない。しかし医者から出産をしたと聞いて大喜びだった。

「速く見せてくれ!」

 俺は大きな声でそう頼むと静止を振り切って部屋に入る。無事を出産をしたが女は病気と妊娠により既に死んでいた。それとは真逆に男の赤ん坊は元気よく鳴いていた。まさしく生と死の螺旋だった。

 俺は泣きながら勢いよく男の赤ん坊を見た。

「えっ?」

 赤ん坊は黒いマイケルだった。

「ビリジイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン」

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