舞台は社用車の中だけ。会話の内容もごく平凡。それでも主人公の内面では、天使の顕現や空爆のような大惨事が次々に起きていく。穏やかで善意的な彼女と、制御不能に暴走する独白。その落差が可笑しく、同時に妙なリアリティを持って迫ってくる。恋を自覚した瞬間、世界が過剰に輝き、自分が壊れていく感覚を、勢いのある語り口で描き切った短編。
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