多数のお嬢様・少数の男子が通う学園に王室から転校生が来た2期

ゆうめい

第1話

「まあ、ユウト王子殿下。ご入学、おめでとうございます」

エール先生は、王子という身分に気圧されることなく、柔らかく微笑みながらそう言った。その声は、周りの喧騒をかき消すかのように、俺の心に穏やかに響いた。

「ありがとうございます、先生」

俺は精一杯の笑顔を作って返事をした。ただ、その笑顔がうまく引きつっていなかったかは自信がない。

「職員室はあちらですわ。私がご案内しますので、ついてきてください」

そう言って、エール先生は俺を先導するように歩き始めた。

ホッと胸をなでおろす。先生という存在が、この圧倒的な女子生徒たちの圧力から、俺を一時的に解放してくれたように感じた。しかし、その安堵も束の間だった。

先生の後ろをついて歩く俺に対し、女子生徒たちの視線は一層熱を帯びていく。

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