プロットのようなものです
剣城龍人
牌神様がみてる 1話
牌神様がみてる
お嬢様学校の入学日、田舎から上都してきた主人公。
お守りの牌を手で転がしながら桜並木を歩く。
突然の突風に牌が手からこぼれ落ちて跳ねる。
足元へ転がったそれを拾う長い黒髪の女性。
主人公と同じ制服。ただ刺繍された線の色違い。
おそらく上級生だろう。
彼女は白牌をしばらく指で擦り、主人公に返す。
「良い牌ね」
「あ、ありがとうございます」
「でも気をつけなさい。牌神様が見てらしてよ」
「これより新入生歓迎会を行います」
体育館の床から机と椅子がせり上がってくる。
みな出席番号順に席に着き四人卓が出来上がる。
両隣はお互いに睨みを利かせているが、対面の子は穏やかなお嬢さまという感じだ。
「失礼するわね」
後ろから声がかかる。
周りから驚きの声が上がる。
振り返れば今朝会った上級生。
式典で代表挨拶をしたその人だ。
白雪の君と呼ばれる?
「あなたは、今朝の子ね。私がこの卓の担当者になりますわ。皆様よろしくね」
(配牌がボロボロね。まぁ無理もないけど)
姫は対面の穏やか嬢を見る
(こういうは一見、毒のなさそうな子ほど怖いのよね)
穏やかのその後ろに廻る。
一巡目にして聴牌間近。
姫は見破っていたが、まだ経験の浅い他の子には見抜けてはいない。
穏やかは姫を見る。姫は微笑み返すだけ。
バレなければ止めはしないと。
姫は周りの卓を見渡す
他の監督者達は視線に気づくと頷き返す。
(情報通り、今年の子は豊作そうね)
主人公の後ろに戻った姫は少し驚いた。
先程までバラバラだった手牌が、いまや形となって出来ていた。
主人公はまるで素人の打ち方だ。
捨て牌を見ても、とても定石と呼ばれる打ち方ではない。
けれど、けして高くない手とはいえ、〜
ふと主人公の手が止まる。
ツモった牌を手にしたまましばらく固まっ孝のようだ。
逡巡した後、ツモ牌を入れ、手牌の形を崩す。
「ロン!」
その局は予想通り穏やかが和了った。
だが、それは主人公からではなく。主人公が出さなかった牌を無遠慮に出した下家?からであった。
主人公は手牌を伏せる。
「ちょっと失礼するわね」
姫が次順の主人公のツモ牌を開くと、それは主人公のあがり牌だった。
(この子、もしかして……)
卓が終わり、主人公は3位の結果であった。
〜
2年の二人組になんか言い詰められる主人公
「下級生に 、あまり上品ではないわね」
姫と対峙する2年組。
「前々から気に入らなかったんだよな。いいぜ、決闘といこうじゃないか」
姫と二人は講堂へ向かう。
「なにしてるのかしら?あなたもよ。当事者ですものね」
主人公も巻き込まれる。
局が進み主人公は振り込み続き。
2年のコンビ打ちに、まだ半人前の主人公は手も足も出ない。
手はおぼつかず。牌を取りこぼしそうになる。
姫は主人公の手を取る
「牌が慄えていてよ」
「ちょっと!」
騒ぐ2年を手で制す。
「罰符は払うわ」
点棒を渡し手牌を開く。なんか高い役
「これで許してもらえるかしら」
「……ッ!次はないですわよ!」
(まぁどうせ主人公のツモ牌で私達の和了りだ。泣いて詫びさせてやる)
主人公は手の震えが止まり。ツモ牌に気づく。
顔を上げると姫は微笑む。
主人公は強く頷き牌を切る。
「なっ!?あなたっ!」
「あら、なにかしら?」
(さっきの一瞬か!コイツ、すり替えてやがった!)
〜
「主さん、私と一局打って下さる?」
「負けました」
「惜しかったわね」
サマはない真剣勝負だった
主の開いた手は聴牌。
「あなた、顔に出過ぎなのよ」
わずかな表情の緩みと、視線の動き。
「あはは、お婆ちゃんからも同じ事言われてます」
「お祖母様の名前を聞いても?」
「〇〇です。麻雀がとっても強いんですよ」
「そう……それじゃあ、約束通り1つお願いを聞いて貰えるかしら」
「私に出来ることでお願いします」
「心配しなくてもいいわ。あなたには、私の従妹になって欲しいだけよ」
姫の従妹(スール)になった主人公
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