第一章 第三話「魔晶石」
「それでは、早速魔力を測りましょう!」
そういうとカメリアは、机の中からサッカーボール位の大きさの紫色のクッションに乗った水晶を取り出した。
「わあああ!」
魔道具大好き、目を輝かせているカレン。
「これが魔晶石です。毎週月曜日に魔力のランクとレベルを測るから覚えていてね」
「「はい!」」
「では、セイラさん、手をかざしてみて!」
セイラは恐る恐る魔晶石に手をかざした。次の瞬間、魔晶石は若緑色に輝き、光が石の中で渦巻いた。雷属性の証拠である。ゆっくりと金色の古代数字が浮かび上がった。
『Ra.B Lv.LXXVIII』
初級ランク、レベル78。八歳の平均数値、初級ランク、レベル21と比べると偉い違いである。カメリアは何も言わずに目を輝かせた。
「とんでもない逸材が来タッ!あ、セイラさんには七階のお部屋を使ってもらいます」
「わかりましたわ」
セイラはそれがさも当然かのように答えた。それだけ彼女は自分の努力に自信を持っている。
「セイラ、おめでとう!」
セイラの部屋は七階の一号室になった。一年生が七階の部屋に選ばれるのは、初めてらしい。
「次は、カレンさん、手をかざしてみて!」
カレンは魔晶石に手をかざした。魔晶石は白く光り、そこに青が加わって水色となり、最後に虹色に光輝いた。そして、光文字が浮かび上がる。
『Ra.I Lv.3』
中級ランク、レベル3。十一歳の平均、初級ランク、レベル30とかけ離れている。
セイラとカメリア、そしてカレンも驚いて固まった。
「お姉様、今のは?」
やっとセイラが口を開くと、カレンはふるふると首を横にふる。
「わからない、わ。私、水属性にも適性があるのかもしれない。でも、最後のは何?」
しばらくポカンとしていたカメリアがようやく言葉を発する。
「こ、校長先生に聞いてみますか?」
「お願いいたします」
自分に思いがけない才能があることに気づきかけたカレンであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます