主人公テルオ。
彼の住む地球には隕石が迫っており、世界の終焉が物語られていた。
それが今日、地球最後の日である。
肉眼でも視認できるほどにまで隕石は接近。
人間たちは最後の瞬間まで己を突き通そうと楽しんでいた。
テルオ宅はすき焼きで最期の晩餐を済ませ、来たる時に備えていた。
「もしかしたら地球は滅びないかもしれないし、洗濯物を干してくれない?」
泥酔しているテルオの父とは正反対に、テルオの母はそう語りかける。
『もしかしたら』。
だが、テルオはリョウコと話したいと家を出ていく。
テルオは最期の時こそリョウコに想いを伝えようとするが……。
世界終焉の日。
投げやりになっていた人類の間で紡がれる小さな恋の唄。
この想いに、名前はないかもしれない。
最期の時でも、恋を楽しんでいったっていいじゃないか。