路地裏のアトランティス
@sauther
プロローグ
人々が平和に暮らす世界。様々な娯楽に溢れ子供たちの笑い声が響く理想郷。明日がやってくるのは当たり前だと信じ込んで止まない傲慢な奴らは、平等やらなんやらと戯言を抜かす。だけど世界というのは理不尽で不平等というのが常だ。光に溢れれば溢れるほど、追いやられた闇がより深く、より黒々と影を伸ばす。
そんな闇を体現する街がある。光の届かない入り組んだ路地の向こう、笑い声に怒声に、タバコの煙で塗れた夜の街。毒々しく輝くネオンを恐れて、まともな人間は寄り付かない。こんなところに流れ着くのは大抵、人を食い物にするクズか、食い物にされてる自覚もないバカばかりだ。
なんて、第三者目線にでも立ってるつもりの俺だって傍から見れば大概同じ、ろくでもない野郎なんだろう。まぁ自覚はある。それでも俺には目的があって、仲間がいて、譲れないものがある。
これから始まるのは、そんな正義もクソも無いアンダーグラウンドで、現実に取り残された大人たちの稚拙で滑稽な冒険物語。
そして……俺が、沈んで堕ちて、やがて消えるその日までのエンドロールだ。
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