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 喪服を着るのなんて、何時ぶりだろう ? 


「叔母さん、お久しぶりです。……この度は、ご愁傷様です」

「翔くん。今日は、わざわざ有難うね。

 ……旬もきっと喜んでるわ」

「そうだと、良いんですが……」


 仏壇に飾られた遺影に目をやると、自分と同い年の従兄弟が穏やかに微笑んでいる。社会人になってからは毎日が忙しくて、親ともろくに連絡を取っていなかった。

 だから、母から電話を貰った時は凄く驚いたのを覚えてる。旬が亡くなったなんて、何の冗談だろうと思った。


「あの、えっと……こんな場所で聞く事じゃないんですけど……」


 葬式に出ると決めた時から、俺は叔母さんに直接聞くと決めていた。しかし、いざ目の前にすると言葉に詰まる。


「旬の死んだ理由 ? 」

「 ! ? ……はい。ごめんなさい」

「謝らないで……むしろ、その事で貴方にお願いがあるの」

「俺に、……出来る事なら何でも」

「……有難う」


 ーーーーーーーーーー



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 それから数日後、俺は叔母さんと二人で旬の借りていた東京のアパートに向かっていた。遺品整理の為だ。

 俺は、車を走らせる。車内は静まり返っていた。

 一人息子を亡くしたばかりの叔母さんに、掛ける言葉が見つからない。曲を流すのも、なんだか躊躇われた。


「……翔くん」

「…………なんですか ? 」


 叔母さんは、俺を見てはいない。窓の方に顔を向けてはいるが、外の景色すらその目には映っていないようだ。

 まさに、心ここにあらずと言った様子。淡々と話す姿は痛々しかったが、俺は黙って叔母さんの言葉に耳を傾けた。


「旬からね。亡くなる少し前に、貴方に渡して欲しいって手紙を預かったの」

「 ! その手紙、どこに ? 」


 俺が問いかけると、叔母さんは膝に乗せていた手提げバックの中から封筒を取り出した。


「これが、その手紙よ。……私ね。

 あの子がこの手紙を持ってきた時に、言ったのよ ? 


「自分で、翔くんに渡したら ? 」


 ってそしたら……あの子、なんて言ったと思う ?  」

「なんて、言ったんですか ? 」

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