3月4日(土)調布グリーンホール、花の歌

花の所属している高齢社交ダンス部の演目が終わった後、貸切の調布グリーンホールの中で、花おばあちゃんに社交ダンスのやり方を教わりながらあかりがヨッとヨッとと踊っていると、颯太がGランゲ作曲の「花の歌」を弾き始めた。しかもアレンジ付きで。花おばあちゃんが驚いて動きを止める。近くで座っていた3歳の妹の乙葉が、「フォウフォ〜〜ウ!!!!!」とはしゃぎ始めた。


颯太のピアノは、華やかで可憐で、聴く人を惹きつけられるピアノだった。

鍵盤の上で颯太の指が軽やかにはしゃぎまわり、肩から流れる腕はなだらかな波のようで。真剣に弾いてるはずの颯太の表情にも、ふっと笑みが溢れているような。


(颯太は、人を感動させるピアノを弾ける、天才だ!!)

(おばあちゃん、孫が沢山いてほんとに幸せものだねぇ……)

(お兄ちゃん、すげぇえええええ……!!!!!!!)

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