ママに告白してる〜!?

「どうした大樹、双葉。雰囲気が微妙な感じになっていないか?」


 何故か大樹もよそよそしくなっている。僕は僕で、色んな感情がぐっちゃぐちゃになっているので、お互いに気まずい空気が流れていた。


「と、とりあえずここが僕の家~。二階に僕の弟がいる」


「そうか! では見させてもらうぞ。性癖クラッシャーというのを!」



        ◇



「双葉莉奈のお母さん。その美貌が、貴様がほしい!」


 そう言いながら、僕のママの手を取る星宮千暁の姿がそこにはいた。


「は?」


「えっ……」


「えええええ~!?」


 星宮千暁が僕のママに告白したぁぁぁ~!?


「千暁お前……」


 流石の大樹もドン引きと言った表情をしている。


 メメさんは顔面蒼白、茫然自失という感じだ。当然だろう。メメさんの想い人が別の人に告白した瞬間を見てしまったから。僕だったら泣き崩れているかも。


「わ、私みたいなおばさんでいいの……?」


 ママもどうして色気を出しているのか。ゴリッゴリの不倫現場である。これをパパが見たらなんと言うのだろうか?


「叔母さん。流されちゃダメだ。それは禁断の果実なんだ!」


 急に声を張り上げた大樹は、両者に割って入った。


 彼は寝取られが大嫌いである。一時期、僕と二人でそういう本を読み漁ってた事があった。その頃から大樹は寝取られに対して蕁麻疹が出るほど拒絶するようになってしまった。


「何を勘違いしている大樹。既婚者に手を出すわけないだろ」


「はっ?」


「星宮プロダクション。芸能事務所に欲しい!」


 星宮プロダクション。聞いた事がある。最近頭角を表してきた、大人気モデルを輩出している事務所である。


「なんだあー! そんなことだと思ったよー!」


「あっ、メメさんが復活した」


 逆にママが放心状態になっている。放心状態になってる方がおかしいのだが。まさか、パパがいるのに乗り気だったでもいうのだろうか?


「千暁お前、高校生なのに複数の会社経営してんの?」


「俺は欲しがりだからな」


 結局その日、星宮千暁の目に真奈斗は映ることはなかった。代わりに台風の如く、僕の家族をぐちゃぐちゃにして去っていった。


 それにしても、欲しいか。星宮さん風に言えば、大樹が欲しいことになるのかな?


 でも、いとことして好きと言われたから。いや、それでも……


「莉奈ちゃん。今の大樹は自覚した人の雰囲気だから、押せばおとせるよー」


 迷っている僕に、メメさんが誰にも聞こえない耳元へ近づき、小声で背中を押してくれた。


「でも、いとことして好きだって……」


「それでも、告白するというのが重要だからね。絶対成功する流れだから。ガンバッ!」


「メメ先生……うん。頑張ってくる~!」

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